「地球シミュレータフォーラム」は終了しました。
海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)及び会津大学(学長 角山茂章)は、平成18年7月に「地球シミュレータによる研究の地域社会への活用可能性に関する包括的連携」推進のための基本協定を締結しました。
今回、この協定に基づく連携事業の一環として、「地球シミュレータフォーラム」を開催いたします。
このフォーラムでは、スーパーコンピュータを利用した地球規模でのシミュレーション技術やその成果、さらには本技術の会津地域への活用の可能性などを、広く産業界や一般の皆様、さらには次代を担う児童生徒の皆様を対象に、専門家がわかりやすくお伝えします。
シミュレーション技術の活用を通して連携事業の促進を図り、地域社会に役立てることを目指していきます。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。
| 13:35 | 気候変動予測研究とその社会的応用について佐久間弘文 地球フロンティア研究センター グループリーダー 「予測」という事はどんな分野であれ、これまでも多くの人の関心事であった。個人レベルでは人の運命に関するものや、より広いものとしては社会、人類の未来に関するものまで様々である。この「予測」という事を最先端の科学はどう解明しつつあるのかをお話するのが本講演のメインテーマである。 予測の基礎は、ある原因からどのような結果が生じるかという「因果律」である。現代科学が明らかにした、この「因果律」に関する科学的説明について、気候変動予測研究を題材にしてその社会的応用の可能性も含めて説明する。 |
| 14:10 | 数値海流予測システム(「海の天気予報」)の利用可能性について宮澤泰正 地球環境フロンティア研究センター 主任研究員 JAMSTECでは、衛星、船舶、アルゴフロート(漂流型の海洋観測ブイ)等による観測データと数値海流モデルを使って、日本近海の海流を始めとする水位・水温・塩分濃度の変動を2ヶ月先まで詳細に予測するシステムを開発した。このような海洋変動の日常的な予測(「海の天気予報」)は、現場観測による検証とあいまって、より長期の気候予測のための「大気海洋結合モデル[1]」の改良のみならず、漁業や海洋環境保全等にも著しく貢献することが期待される。この予測システムの具体的な利用事例をご紹介するとともに、新たな応用の可能性について考えてみたい。 |
| 14:45 | 会津地域を対象としたシミュレーションの可能性について高橋桂子 地球シミュレータセンター グループリーダー JAMSTECでは、全地球から局所地域領域までの、気象や気候変動予測へ応用可能な「大気海洋結合モデル[1]」を開発している。地域の産業への応用を目的とした具体的な共同研究テーマを模索していくため、このモデルを使用して行った、複数の地域気象予測シミュレーション結果をご紹介する。また、地球シミュレータなどの巨大な計算機システムを使用した気象、気候予測シミュレーションシステムを、観測と予測システムの結合システムとしてとらえ、超大規模統合予測システムには今後何が必要なのかについて、また、計算科学的アプローチからの課題や展望についてもご紹介する。 |
| 15:20 | 会津の気候と農業の特徴 ~気候資源の活用と課題~荒川市朗 福島県農業総合センター会津地域研究所 所長 概要 会津地方は、東北、北陸、関東に接しており、夏季の高温多照、冬の豪雪など変化に富んでいる。また、平坦部から高冷地までの標高差は500m以上あり、地域間の気候は北陸地方および東北地方全域の縮図となっている。農業では、古くから全国有数の米の産地であり、他の地域にはない特産物が生産されている。これらの作物と毎年の気象の関係について、作物の生育・収量・品質や災害との関係を紹介し、会津の農業を育んだ気候の特徴と農業の関係を紹介するとともに、気候資源を有効に活用した農業生産とそれを可能にするための予測技術などの課題について考えてみたい。また、地球温暖化等の影響について現在の試験中の課題の中から事例を紹介する。 |
| 15:55 | 質疑応答 |
[1] 「大気海洋結合モデル」: 大気の熱・風・降水の影響が海洋に、また一方、海洋の表面温度が大気にというように、大気と海洋は互いに影響を及ぼしあっている。このような相互作用を考慮に入れて地球の気象現象を解明する手法のひとつ。