平成19年度 地球シミュレータ利用報告会

超高層建築物の耐震性能評価のための地盤連成を考慮した3次元シミュレーションに関する大阪大学とJAMSTECとによる共同研究

発表資料 (2.2MB)

1. プロジェクト名

超高層建築物の耐震性能評価のための地盤連成を考慮した3次元シミュレーションに関する大阪大学とJAMSTECとによる共同研究

2. プロジェクト責任者名

橘 英三郎

3. プロジェクトの目的

近年、都市圏において30階~50階程度の超高層集合住宅が数多く建設されつつある。もし地震により、それらが大きな被害を蒙った場合には、都市機能に与える影響は大きく、又、高層故に救命活動もきわめて困難となるため、それらの構造安全性確保は一層慎重になさねばならない。

本研究は、建物や杭や地盤などを一体化した3次元モデルを対象とし、地球シミュレータを用いて有限要素法(LS-DYNAなど)解析を行い、地震時における挙動を的確に把握することにより、都市の安全性の確保に寄与するとともに、耐震性能評価の高度化を目指す。モデル化においては、実際の形状にできるだけ近いモデルとするため、系全体の力学的な自由度は1000万以上の大規模計算となる。又、材料的なミクロな挙動、部材レベルの挙動、構造体としての挙動、地盤と構造体を一体とした挙動など任意の階層での情報を抽出できる新しい構造設計ツールの構築を目指す。

4. 今年度当初の計画

4月 ~ 5月
モデル3E:上部構造(3次元)のみ
3層モデル、要素サイズ10cm立方、弾性
目的 : 演算時間の算定、層剛性(縮約剛性)の算定
6月 ~ 7月
モデル30E:上部構造(3次元)のみ
30層モデル、要素サイズ10cm立方
目的 : 基礎に記録地震波入力時の応答、応力分布の把握
8月 ~ 9月
モデルGE:地盤(3次元)+杭(3次元)
地盤 : 要素サイズ2m立方、一部20cm立方、弾性
杭 : 要素サイズ20cm立方、弾性
上部構造 : 1次元(上記の縮約剛性を用いる)、弾性
目的 : 工学基盤への地震入力による応答解析、杭頭部の加速度波形の出力
10月 ~ 11月
モデル30GEP : 上部構造(3次元)のみ
30層モデル、要素サイズ10cm立方、弾塑性
目的 : 上記杭頭部の加速度を用いた応答解析、モデル30EPの場合と比較
モデルMDE : 新しい破壊要素
目的 : 分子動力学シミュレーションによる破壊現象のFEM要素化

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

鉄筋コンクリートモデルのモデル化、地盤モデルのモデル化及び建物-地盤連成方法の検討などの様々な予備検討を行い大規模三次元モデルのモデル化の基本方針の確立を行った。

またその基本方針に沿って10cm一辺を基本サイズとする3~15F建て程度の大規模建物モデルの解析を実施し、現在、建築の地震応答解析の主流である多質点系モデルでは把握しえない応力の時間変動等の知見を得た。

達成度

65%