平成15年度地球シミュレータ共同プロジェクト利用報告会
利用責任者名 : 板倉 憲一 (海洋科学技術センター 地球シミュレータセンター)
共同プロジェクトテーマ : 地球シミュレータのマルチノード用並列計算ライブラリの構築
発表要旨
1.プロジェクトの目的
地球シミュレータにおけるマルチノード利用では、 HPF コンパイラか MPI2 通信ライブラリによる並列化を行う。 HPF は下の階層で MPI を使用しており、 MPI の通信性能がどちらの並列化の場合にも大きく影響する。この MPI の通信ライブラリではハードウェアの通信機能の全てを利用していない。そこで、 MPI と互換に使える機能として高速通信ライブラリの構築を行う。また、この高速通信ライブラリと MPI の規約にしばられない通信方法を直接利用する並列計算ライブラリを構築し、地球シミュレータの利用基盤として提供する。
2.今年度当初の計画
平成 15 年 1 月から 3 月 高速通信ライブラリの開発、実装
平成 15 年 4 月から 6 月 高速通信ライブラリの評価
平成 15 年 7 月から 12 月 マルチノード用計算ライブラリの開発、実装
平成 16 年 1 月から 3 月 アプリケーションプログラムによる評価
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
6 月までの高速通信ライブラリの構築は完了した。この高速通信ライブラリによって、通常の MPI による通信に対して機能改善を達成した。測定では、ショートメッセージの場合のレイテンシを 53% 削減し、ロングメッセージの場合のスループットはほぼ同じ (0.1% の増加 ) 結果となった。
また、ストライド転送では、バンクコンフクリトによる性能低下が見られ、当初予定したよりも性能面での向上は難しいことが分った。
<達成度>
当初計画の 7 月から 12 月に関しては 50% 程度の達成率であり、マルチノード用計算ライブラリはまだ完成していない。 3 月のプロジェクト終了までに、この計算ライブラリの構築及び評価を行う。