平成15年度地球シミュレータ共同プロジェクト利用報告会
利用責任者名 : 塩谷 隆二 (九州大学大学院 工学研究院)
共同プロジェクトテーマ : バーチャル実証試験のための次世代計算固体力学シミュレータの開発
1.プロジェクトの目的
汎用並列有限要素法解析システム ADVENTURE の地球シミュレータ上への実装.
数億自由度モデルを用いた大規模非定常非線形解析の実現.
実験,解析不可能であった問題規模での現象解明,産業界への貢献.
2.今年度当初の計画
既存システム(固体力学解析モジュール ADVENTURE_Solid )を地球シミュレータ上に実装し,ベクトル化及び並列化のチューニングを行う.
Hitachi SR8000 で解析実績のある1億自由度原子炉圧力容器モデルの静弾性応力解析を行い,地球シミュレータ上での性能評価を行う.
非定常非線形機能に対する,地球シミュレータ用のチューニングを進める.
数億自由度原子炉圧力容器モデルの非定常非線形解析(地震動下の揺れ解析)を行う.
熱流体解析機能のチューニングを行う.
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
固体力学解析モジュール ADVENTURE_Solid のベクトル化を行い,ベクトル化率 98% 以上が得られた.また, Flat MPI スタイルによる並列化を行い, 256 ノード上において並列化率 99.98% ,並列化効率 71.7% が得られた.
Hitachi SR8000/MPP 128 ノードで約 2.6 時間要した 1 億自由度原子炉圧力容器モデル静弾性応力解析を地球シミュレータ 256 ノード上で行い,ピーク性能の約 31.8% である 5.1Tflops が得られ,約 8.5 分で解析に成功した.
ADVENTURE_Solid に非定常解析機能を追加し,従来困難であったソリッド要素による 3,500 万自由度原子炉圧力容器モデルの地震応答解析を可能とした. 128 ノードを用いて, 200 ステップの計算を約 7 時間で成功した.
<達成度>
ベクトル化チューニング 98 %以上. 達成度 100% .
512 ノード利用を目指した並列化チューニングは 256 ノードまで. 達成度 80 %.
1 億自由度モデル静弾性解析性能評価は,約 8.5 分,ピーク性能の 30 %以上. 達成度 120 %.
非定常非線形機能は,線形範囲のみ. 達成度 50 %.
数億自由度モデル解析は, 1 億自由度モデルの非定常線形解析. 達成度 70 %.
熱流体解析はコンパイルとテスト問題の解析まで. 達成度 30 %.