平成15年度地球シミュレータ共同プロジェクト利用報告会

利用責任者名 : 阪口 秀 (海洋科学技術センター 固体地球統合フロンティア研究システム)

共同プロジェクトテーマ : DEM による内部構造を持つ複雑多相系の粒子モデル

PDF 発表資料 (821KB)

発表要旨

1.プロジェクトの目的

1)血流と血栓形成、2)地盤の液状化、3)粒子系の複雑挙動とその物理、4)粒子系の熱、化学反応、混相体、相転移、5)コロイド・ナノ粒子の自己組織化の5つの問題について、地球シミュレーターを用いた大規模シミュレーションから得られる情報とともに、観測および実験事実と踏まえて、その基礎物理、メカニズムの解明と理論の構築、そして現象の予測を目指す。シミュレーションでは、共通のモデル化の手法として DEM(Discrete Element Method) をベースにして、とくに他の手法では扱いが困難な非平衡動的問題に取り組む。

2.今年度当初の計画

各問題に対応したモデルに対する大規模シミュレーションのための初期状態、境界条件の作成・計算時間の最適化のためのチューニング・可視化を含むポストプロセッシングツールの構築

3.今年度得られた成果、および達成度

<成果>

1)血流と血栓形成: 3 次元赤血球膜モデルの作成。 2 次元赤血球膜モデルの作成。 2 次元血液プラズマと赤血球の混相流れの基礎モデルの作成と小規模シミュレーション。典型的な赤血球の変形様式が得られた。

2)地盤の液状化: Spring8 を用いた砂粒子 3 次元可視化実験の確立と測定。大規模振動台による液状化による物体浮上の実験と 2 次元シミュレーション。

3)粒子系の複雑挙動とその物理:イジングモデルによる磁性特性のシミュレーション-転移点に関して従来の 2 倍の制度が得られた。 ES フルノード計算への準が整った。非平衡仕事法の相図を ES を用いたパラメトリックシミュレーションによって得た。

4)粒子系の熱、化学反応、混相体、相転移:ナノエンジン設計のための燃焼を DEM によってモデル化。その小規模シミュレーションを展開。固液相転移のDEMモデルの作成。

5)コロイド・ナノ粒子の自己組織化:薄膜ナノ粒子の自己組織化シミュレーション。初期状態における分散度と溶媒量と自己組織化パターンの解明。

<達成度>

1)ほぼ、予定通り 2) 3 次元の粒子―間隙流体 DEM のチューニングが遅れている。3)当初予定していた Event Driven 型の ES へのポートが困難であったこと以外は順調に進行している。4)小規模モデルでの試験段階はほぼ終了。5)大規模化がやや遅れている。