平成15年度地球シミュレータ共同プロジェクト利用報告会
利用責任者名 : 平田 勝 (日本原子力研究所 東海研究所)
共同プロジェクトテーマ : 溶液の第一原理分子動力学シミュレーション
発表要旨
1.プロジェクトの目的
第一原理分子動力学シミュレーションを用いて、実験が困難である溶液の構造を理論的に予測する手法を確立する。金属イオンまわりの水分子の配位挙動や、水とメタノールの混合溶媒さらには生体分子であるDNAのシミュレーションなど、溶液内におけるイオン、分子の存在状態予測、電子状態の解明を行う。これらの研究は、原子力分野で問題となる放射性核種の環境移行挙動を予測する研究の基礎となる。
2.今年度当初の計画
溶液系のみの構造予測:水とメタノール混合系での混合比依存性
DNA分子の電子状態:プロトン移動とスピン状態の解明
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
水とメタノールの混合系では、混合比を変化させた時の粘性率変化を理論的に導出することに成功した。また、DNA分子の電子状態計算では 、 放射線照射等によってドープされたスピンのグアニン塩基への局在化には温度揺らぎが重要な役割を担っていることを示した。
<達成度>
ほぼ順調に進捗している。本年度は、水とメタノール混合系およびDNA分子の電子状態解析を集中的に進めた。