平成15年度地球シミュレータ共同プロジェクト利用報告会
利用責任者名 : 古村孝志 (東京大学 地震研究所)
共同プロジェクトテーマ : 3次元不均質場での波動伝播と強震動のシミュレーション
発表資料 (689KB)
発表要旨
1.プロジェクトの目的
3次元的に不均質な地殻・マントル構造中を伝わる地震動の特性と強震動の生成メカニズムを、地球シミュレータによる大規模並列シミュレーションと、高密度地震観測( K-NET, KiK-net )との比較から詳しく調査する。
過去の大地震を数値シミュレーションにより再現し、地震波伝播と強震動生成プロセスを明らかにする。そして、将来発生が予想される巨大地震の地震動特性と地動性状を高精度に予測することを目標とする。
2.今年度当初の計画
- 大規模並列計算のための、日本列島大モデル( 2048x1024x800 格子、 250m 間隔)の計算モデルを構築する。並列化率( 99.98% 以上)とベクトル化効率( 99% 以上)を高めるよう FDM コードのチューニングを行い、多数のノード( 256 ノード程度以上)を用いた大規模計算を実用化する。
- 最適化された並列コードと日本列島の高精度地下構造モデルを用いて、想定される十勝沖地震や南海トラフ巨大地震などの大規模数値シミュレーションを行う。
- 計算結果から波動伝播と強震動生成の物理を理解するために、 Volume Rendering 法などを用いた3次元地震波動場の可視化技法を開発する。
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
- 日本列島の大規模計算モデル( 2048x1024x1760 格子、 200m )を構築し、 176 ノード計算において並列化率 99.48% 、ベクトル化率 99.56% の効率を確認した。
- 2003 年紀伊半島沖の地震、想定南海トラフ地震、 1855 年安政江戸地震などの強震動シミュレーションを実施し、不均質プレートと地殻構造における波動伝播と強震動生成メカニズムを明らかにした。
- 大規模計算結果の可視化のために、計算と同時にメモリー上で Volume Rendering を行う On Memory 可視化手法を整備した。これを用いて 2003 年紀伊半島沖の地震のプレート内の波動伝播特性を詳しく調査した。
<達成度>
- 今年度の目標はおおむね達成している。
- 並列化効率をさらに高め、地球シミュレータのフルノードを用いた大規模高速計算を目指したい。