■発表要旨
1.プロジェクトの目的
高解像度大気海洋結合モデル、中解像度大気海洋結合モデルを用いてIPCCシナリオ実験、20世紀気候再現実験を行い、地球温暖化に伴う地域気候の変化や、気候システムの変動度変化などを研究する。また、モデルの物理過程精度向上、気候感度支配要因の究明を行う。同時に、Hadley Centreとの協力を行い、相互のモデルの結果を比較する。
2.今年度当初の計画
8月31日までに、IPCCAR4(第4次報告書)に間に合うように、温暖化予測の計算を行うことにある。計算には、1.コントロールラン、2.2酸化炭素1%増加ラン、3.20世紀再現ラン、4.混合層を用いた気候感度測定ラン、5.SRESシナリオラン、などを行う予定であった。
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
高分解能モデルと中分解能モデルの2つの分解能の異なるモデルを用いた計算は、予定通りに、8月31日までに終了することが出来た。これには、地球シミュレータセンター側の協力が非常に大きく、専用ノードの割り当てに伴い、非常に効率よく計算をすることが出来た。ここに、改めて、地球シミュレータセンタの協力に感謝する次第である。
地球温暖化予測についての結果については、以下の通りである。
- フラックス調節を用いなくてもコントロールランで、気候ドリフトが無いことが示された。また、我々の気候モデルの気候感度は、相対的に高いことが示された。
- 全球平均の地表気温の温度上昇に関しては、従来の結果を支持する結果が得られた(図2参照)。水平分布に関しても、今までのIPCCの結果と比べて大きな差異は無い。
- 東アジアの地域的な気候変化については、梅雨前線が表現されており、地球温暖化に伴い、「北冷西暑」型の気候変化が起きる可能性が示された。また、梅雨前線に伴う降水が増加することが示された。
- 日本付近の黒潮の流軸は変化しないが、流速が強まる結果が得られた。
- シベリア東部の降雪は増加、日本海側の降雪は減少することが示された。日本海の海面水温は上昇することが示された。
<達成度>
予定通りの計算は終了したので、80%と言える。残りの20%は、解析し、新しい成果を得る点で時間が不足していることを示す。