■発表要旨
1.プロジェクトの目的
大気・海洋の超高解像度モデルを用い,比較的長い時間スケールを持ち,空間的にも地球規模の大きな現象(大規模場)から,短い時間スケール,小さな空間スケールを持つ現象(中規模現象)までを同時にシミュレートする.そして,異なった時空間スケールの現象間の相互作用によって引き起こされる変動の機構を解明し,その予測可能性を研究する.それにより,将来的には,天気予報,季節予報,気候変動予測の精度向上に貢献する.
2.今年度当初の計画
- 大気大循環シミュレーション研究
- 顕著現象の高解像度シミュレーション,
- 初期値及びモデルの不確定性の定量的評価を目的とした多メンバーアンサンブル実験,
- 年々変動再現実験
- 渦解像海洋大循環シミュレーション研究
- CO2貯留シミュレーション研究.
- 海洋中の物質循環における生態系の役割のシミュレーション研究.
- 渦解像モデルの計算結果を解析し、観測で得ることが困難な新たな知見を得る研究.
- 大気・海洋結合シミュレーション研究
- 高解像度シミュレーション研究(各種スキームやパラメータに対する感度実験を行う).
- 超高解像度シミュレーション研究(基礎的な実験を行う)
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
- 大気大循環シミュレーション研究
- 2004年7月20日関東地方の猛暑及び2004年台風第23号の台風の発生初期の再現実験を行なった.特異ベクトル法による初期擾乱生成プログラムのESへの移植及び2004年3月初旬の爆弾低気圧の事例等の初期値の不確定性の定量的評価を行なった(感度解析).
- 上述の爆弾低気圧の事例について,多メンバーアンサンブル実験を行なっている.
- 年々変動再現実験
- 海洋大循環シミュレーション研究
- 日本南海の深海に投入されたCO2が、どの様に移動するかラグラジアン粒子のオフライン実験による評価を行った.また、オイラー実験を開始した.
- 生態系モデルを組み込んだ実験を開始し,衛星観測と比較,良好な結果が得られた.
- 波の活動度に注目した解析、黒潮・親潮前線の十年変動の研究などが順調に進んでいる. また、IPRCなど外部との共同研究を広く推進している.
- 大気・海洋結合シミュレーション研究
- 雲量評価方法の改良,より高度な陸面モデルと最新の放射モデルの導入により,バイアスを減少させた.
- 大気が水平100km鉛直48層,海洋が0.25度54層の解像度で実験を行っている.
- 大気が水平50km鉛直48層,海洋が0.25度54層の解像度でテスト計算を開始した.
<達成度>
年度末を100%として, 65%程度.