■発表要旨
1.プロジェクトの目的
本研究では、ヒートアイランドの数値モデルの開発を行い、大規模数値解析により都市の風の道、都市の集中豪雨等の解明に取り組む。既往の大気モデルにおいては都市を平坦面と見なして運動量、熱、湿気の輸送方程式が構築されており、県境、国境を超えた大きなスケールを対象にした現象究明の検討が行われている。一方、実際の都市空間では建物の凹凸が歴然と存在し都市の表面はガラスやアスファルト等の多彩な建材で構成され、都市活動で消費されるエネルギーは熱に変わり都市を暖める。ヒートアイランド現象は地球全体から見れば微細なスケールであるが、このスケールの環境をしっかり把握することは都市居住の設計を推進する上で極めて重要な視点である。
2.今年度当初の計画
本研究で取り扱う数値モデルは全部で3種類(UCSS、LOCALS、kappa)である。今年度は、1)UCSSとLOCALSの結合、2)kappaのベクトル・並列化、3)LOCALS-UCSSのベクトル・並列化、4)都市GISの整備、5)地球シミュレータによるヒートアイランド解析を実施し、ヒートアイランドの数値モデルの構築を目指す。
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
都市GISの整備&kappaのベクトル・並列化を行い、広域高解像度CFD解析を可能にした.まず東京の5km四方の領域を対象に水平5mメッシュの解像度で気温および風のCFD解析を試し、河川および海からの流入風が市街地の気温を冷却する様子や河川からの流入風が高層建築物周辺で回り込み,気温を低下させる効果が再現できていることを確認した。すでにその成果の一部を取りまとめ、平成16年度建築学会大会、平成16年度空気調和・衛生工学会大会、第18回風工学シンポジウムで発表を行っている。
<達成度>
今年度計画していた詳細作業の達成度を以下に示す。
- UCSSとLOCALSの結合・・・ 80%
- kappaのベクトル・並列化・・・ 90%
- LOCALS-UCSSのベクトル・並列化・・・60%
- 都市GISの整備・・・ 90%
- 地球シミュレータによるヒートアイランド解析・・・60%