平成16年度地球シミュレータ研究プロジェクト利用報告会

利用責任者名 : 中島 研吾 (東京大学 大学院理学系研究科)

プロジェクトテーマ : 固体地球シミュレーションプラットフォームの開発

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発表要旨

1.プロジェクトの目的

  固体地球シミュレーション・プラットフォーム「GeoFEM」において,プラグイン形式による解析システム結合,大規模線形システムの高速並列解法,大規模並列可視化,その他の汎用的解析支援機能に関する研究を行う。具体的な項目は以下の通り:(1)並列反復法によるSMPクラスタ向け高速ソルバーの最適化,性能評価 (2)並列メッシュ生成,並列固体地球シミュレーション,連成解析カップラー,並列可視化からなる統合化プラットフォーム開発 (3)西南日本地震発生サイクル解析,地球外核電磁熱流動解析,へのプラットフォームの適用 (4)地下水流動・物質拡散解析,津波シミュレーション,実機工学問題解析の実施 (5)構造格子系,離散粒子系へのプラットフォーム拡張

2.今年度当初の計画

本年度は,プラットフォームの機能拡張と実用化へ向けて下記を実施予定であった:

  1. 接触問題を中心に,更なる安定,高効率なSMPクラスタ向け前処理手法を開発する。
  2. AMR(Adaptive Mesh Refinement)ツール,境界要素法型解法向けプラットフォーム拡張,粒子法向け可視化手法の開発を実施する。
  3. プラットフォーム実用化のため固体地球分野内各グループとの連携を深めるほか,非構造格子,有限要素法によるアプリケーションに関係した他分野とも積極的に連携していく。
  4. 有限要素法による工学アプリケーションの開発,シミュレーション実施(材料科学,圧縮性流体解析)。

3.今年度得られた成果、および達成度

<成果>

  1. SAI(Sparse Approximate Inverse)法による前処理手法を開発し,最適化を実施し,ハイブリッド型並列プログラミングモデルにおいて従来手法より高い性能を達成した。
  2. AMRによるメッシュ分割ツールの開発,境界要素法型解法向けプラットフォーム拡張,粒子型解法向け可視化手法の開発を実施した。
  3. 各グループへのツールの提供,最適化支援を実施した
    1. 古村グループ(固体地球)並列可視化機能
    2. 平原グループ(固体地球)前処理付き並列反復法,AMRツール
    3. 松浦グループ(固体地球)境界要素法型解法向けプラットフォーム
    4. 阪口グループ(先進・創出:DEM)ポアソン方程式ソルバー,粒子法可視化機能
    5. 奥田グループ(先進・創出:原子力)ポアソン方程式ソルバー,大規模メッシュ生成機能,並列可視化機能
  4. これまで「地球シミュレータ」上で開発された「GeoFEM」ツールを使用して,有限要素法による第一原理計算コードを開発し,シミュレーションを実施した。

<達成度>

  1. SAIについては,開発,最適化については一通り終了したが,今後大規模問題への適用,評価が必要である。
  2. AMRについては更なる最適化,並列化が必要である。境界要素法型解法向けプラットフォーム拡張については,地震発生時における不安定性を解決していく必要がある。
  3. 各グループとの協力,ツール提供に関しては,良い成果を得られた。今後も積極的に活動し,協力関係を広げたい。
  4. 第一原理計算コードについては,プログラムの開発,最適化は終了し,大規模な実用問題への適用を実施中であり,今後は更に実用的なシミュレーションを実施する。「圧縮性流体解析」については,AMR機能が不十分なこともあり,本年度は試計算に留まった。