平成16年度地球シミュレータ研究プロジェクト利用報告会

利用責任者名 : 陰山 聡 (海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター)

プロジェクトテーマ : コア・マントル結合系のダイナミクス

PDF 発表資料 ( 5.99MB)

発表要旨

1.プロジェクトの目的

   本研究は、地球内部全体を、コア対流とマントル対流が結合した連結対流系として見る視点に立ち、大規模な結合シミュレーションを通じて、ダイナモ、マントル対流、プレート運動など、固体地球全体を包含する新しい理論的枠組みの構築を目指す。

2.今年度当初の計画

  昨年度までに我々は、コア系とマントル系の両者に直接、あるいは潜在的に応用可能な独自の数値シミュレーション手法を二種類考案した。一つは、新しい球面計算格子である「インヤン格子」であり、もう一つはマントル対流の新しい高速解法アルゴリズム「MCES法」である。これらの成果をふまえ、今年度の目標として我々が提出した今年度の研究計画は次の6点であった。

  1. MCES法そのものの改良。
  2. MCES法の球ジオメトリ(インヤン格子)への応用。
  3. インヤン格子マントル対流コードの改良。
  4. インヤン格子コアコードの改良。
  5. コアとマントルの結合モデルの開発
  6. その他萌芽的な研究

3.今年度得られた成果、および達成度

<成果>

  1. MCES法の改良に成功した。ベクトル化率98.1%、並列化率99.85%という非常に高い計算効率を実現した。(J. Comput. Phys.に印刷予定。)
  2. インヤン格子マントル対流コードの改良に成功した。これを用いて、粘性率の強い温度依存性、および内部発熱の効果を含めた球殻マントル対流計算を実行した。
  3. インヤン格子コアコードの改良に成功した。大規模並列化により、高解像度で高速なダイナモ計算が可能となった(SC2004、ゴードン・ベル賞、最高性能賞受賞)。
  4. コアとマントルの結合モデルの検討を行った。マントル対流で標準的となっているSIMPLER法を用いて、コアとマントルの対流系が共通の方程式で解けることを証明した。

<達成度>

 当初計画(6項目)と得られた成果(4項目)を比較し、その達成度を数値で示せば、4/6?67%程度であろう。