■発表要旨
1.プロジェクトの目的
並列処理言語HPF(High Performance Fortran)を用いた様々な分野での実アプリケーション(大気, 海洋, プラズマ, 構造解析など)を地球シミュレータを使って大規模並列実行し、詳細な性能検証を行う。地球シミュレータで高い実行性能を得るには、ノード間並列, ノード内並列, ベクトル処理全てを考慮してプログラミングする必要があるため、それらをHPFにおいて実現する手法を検討する。
また、HPFコンパイラの改良点を明らかにするとともに、新規機能についても検討する。
2.今年度当初の計画
- HPFによる大規模実アプリケーションの評価 (継続)
- HPFをより高機能にし、地球シミュレータのような計算機の性能をより引き出すための拡張言語仕様の提案およびプリプロセッサ等による実装と評価
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
- オーストラリア気象局で使用されている全球大気シミュレーションの力学過程(解像度T239L29)をHPFを用いて並列化した。
- SPEC OMPをHPFで並列化した。
- パイプライン並列処理を実現するためのプリプロセッサHPFXと通信ライブラリテンプレートを実装した。これらをNAS Parallel BenchmarksのLUベンチマークに適用し、地球シミュレータおよびPCクラスタ上で評価を行った結果、従来よりも少ない労力でMPIに近い性能が得られた。
<達成度>
- 大気シミュレーションについては、cyclic分散に対する最適化が不十分なことから、現時点では満足できる性能は得られていない。さらにコードをチューニングする予定である。
- SPEC OMPのHPF化はほぼ完了した。現在、地球シミュレータ上での評価の準備中である。
- パイプライン並列処理については、プリプロセッサによる実装・評価ともに完了した。これ以外の機能は、HPF/ESコンパイラの一月以降のリリースにおいてサポートされる予定であるため、未評価である。