■発表要旨
1.プロジェクトの目的
- 汎用並列有限要素法解析システムADVENTUREの地球シミュレータ上への実装.
- 数億自由度モデルを用いた大規模非定常非線形解析の実現.
- 実験,解析不可能であった問題規模での現象解明,産業界への貢献.
2.今年度当初の計画
- 共有-分散メモリ活用型の並列化を行う.
- 数億自由度原子炉圧力容器モデルの非定常非線形解析(地震動下の揺れ解析)を行う.
- 熱流体解析機能のチューニングを行う.
- 非定常非線形解析(地震動下の熱流体-構造連成解析)を実現する.
- 開発したシステムを用いて、他の大規模人工物,生体,環境のシミュレーションを行う.
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
- ソルバープログラムの基礎部分についてFlat型並列からHybrid型並列への改良を行った.64ノード上でFlat型並列と同程度(並列化率99.98%)の性能が得られた.
- 3,500万自由度原子炉圧力容器の詳細モデルの非定常線形解析(300ステップ)について128ノードを用いて約4.3時間で解析に成功した.
- 1億自由度原子炉圧力容器の簡易形状モデルの非定常線形解析(4ステップのみ)について256ノードを用いて約15分で解析に成功し,1億自由度規模モデルでの非定常解析が実現可能であることを示した.
- 1億4千万自由度の古代建築物パンテオンモデルの線形解析について256ノードを用いて約10分で解析に成功した.ピーク性能の約24%である3.89Tflosが得られた.
- 内部構造物まで詳細にモデル化した原子炉圧力容器のCADモデルを産業界より新たに提供を受け,バーチャル実証試験を実現できる約1億5千万自由度の解析モデルの作成を行った.このモデルを用いて社会的にも大きなインパクトを持つ非定常非線形解析に向けて,現在計算中である.
<達成度>
- 共有-分散メモリ活用型の並列化は64ノード利用まで.また, 一部通信と計算が複雑化している箇所を現在通信アルゴリズムの再構成中.達成度70%.
- 非定常非線形機能は,線形範囲のみ.非線形機能部分はコーディングが80%程度完了.達成度60%.
- 他の大規模人工物シミュレーションは産業界よりCADモデルの提供を受け,解析モデリングまで完了し, 現在計算中.達成度40%
- 熱流体解析はテスト問題の解析まで.達成度30%.
- 非定常非線形解析は問題検討の段階.達成度10%.