■発表要旨
1.プロジェクトの目的
- 計算材料科学の知見情報として利用可能な形での蓄積
- 知見情報として利用可能な情報のためのシステム開発
- 材料計算に関する知識ベースによる計算情報の公開
2.今年度当初の計画
前年度開発野非周期系プログラムLCAO-PSを用い、材料解析および設計などへの実用化を図るための電子構造計算と擬原子のデータベース構築の開始と周期系プログラムCAMP-Atamiの並列化への着手、および知識ベースとの連携動作と対象の拡大。
- 基本的な並列化チューニングを完了した非周期系プログラムLCAO-PSを用い、材料解析のため当該プログラムの特徴を生かしてナノサイズの金属クラスターの代表的材料での電子構造計算とデータ蓄積をはかる。
- 周期系プログラムCAMP-Atamiの並列化作業の着手および上記データ利用による連携動作のチェック。
- 周期系プログラムによる連携的基本動作での物性値の算出に関する動作チェック。
3.今年度得られた成果、および達成度
物質系における材料開発のための知識ベースの構築に向けて、代表的材料での原子・電子構造計算とデータ蓄積を開始した。また、連携動作による知識ベース利用材料解析の実用化に向け、バルクの物性量算出のための基本動作の確認を行った。
<成果>
- 表面領域と内部のバルク領域のサイズが取り扱えるナノサイズ金属クラスターにおいて水素吸蔵を中心に電子状態計算を行いデータベースの構築を行った。特にbcc金属(Sc, Ti(γ),V, Cr, Fe, Y, Zr(γ),Nb, Mo,…等)の空孔に吸蔵され得る水素について新しい発見がなされた。
- 得られた上記材料での電子構造情報を参照し、バルクの物性量算出のため有機発光材料の発光吸収スペクトルの算出および半導体材料での電子分極に基づく誘電率の算出が可能となった。
<達成度>
クラスター系のシミュレーションは新しい知見が得られた。システムに合わせたコードの書き換えは、非周期系におけるデータベース利用システムの改善を行い、周期系プログラムCAMP-ATAMIでの連携動作可能な形での並列化作業の設計と作業に着手した。
<今後の予定>
- 様々な原子構造と種類の組み合わせにおける電子構造計算を順次実施と擬原子のデータベース構築継続。
- 非周期系および周期系プログラムの連携動作および並列化の効率改善。
- 材料解析および設計などへの実用化。(一部の材料では基本動作確認済み)