平成16年度地球シミュレータ研究プロジェクト利用報告会

利用責任者名 : 奥田洋司

プロジェクトサブテーマ7 : 地下空間における放射性核種移行と地下水挙動の大規模シミュレーション技術に関する研究

発表要旨

1.プロジェクトの目的

   地層処分シミュレーションに必要な,放射性核種移行と地下水挙動に関する計算コードを地球シミュレータ上で最適化し,実サイトを模擬したフルスケールの詳細シミュレーションを,100万年スケールの長期間に関して実施し,処分場建設地選定に向けた安全評価に資する。また,当該分野における様々なシミュレーションを効率的に実施するための,大規模並列データ処理,大規模並列可視化,大規模並列線形ソルバー解法に関する共通的基盤を整備し,現在開発,整備中,あるいは今後開発されるシミュレーションコードを効率的に地球シミュレータ上で利用する環境を整えることを目的とする。

2.今年度当初の計画

  1. 複数廃棄体処分場モデルの解析
    昨年度ESに移植して、10ノード利用が可能となるようチューニングを実施した複数廃棄体の処分場モデルの性能評価コード(VRコード(Virtual Repository))のチューニングを継続する。利用ノード数をさらに拡張して、4万体の廃棄体から構成されるHLW処分場モデルの解析を目標とする。
  2. HLW地層処分場の不確実性解析
    VRコードを利用して、HLW地層処分場の不確実性解析を実施する。従来は、高い計算負荷のため実施不可能であった複数廃棄体の処分場モデルの不確実性解析を行って、処分場のパラメータが処分場性能に与える影響を評価する。

3.今年度得られた成果、および達成度

<成果>

  1. 1000体構成の処分場モデルの解析が可能となった。
  2. 100体構成の処分場モデルについて、Np237の溶解度が環境負荷に与える影響の不確実性解析が可能となり、従来、実施されていなかった複数廃棄体の処分場モデルの不確実性解析が可能となった。年度内に1000体を超える処分場モデルの解析を行う予定。

<達成度>

  1. 現時点で1000体構成の処分場モデルの解析が可能であり、年度内に処分場モデルの規模を拡大する予定である。従って現時点の達成度は中程度と考えられる。
  2. 100体構成の処分場モデルの不確実性解析を実現したため、目標はほぼ達成したと考えられる。