■発表要旨
1.プロジェクトの目的
実地球環境に出来るだけ近づけたパラメータ領域での球殻MHDダイナモシミュレーションを行い、実際に地球流体核中で起こっている地球磁場生成過程とコアのダイナミクスを解明する。
2.今年度当初の計画
- [1] 地球環境に近い低エクマン数(E)のダイナモシミュレーションを行うために、
- 1-A スペクトル変換法によりE?10-6でダイナモシミュレーションを実施する。
- 1-B 新方法(フーリエスペクトル変換法)による計算コードの効率化を進める。
- [2] 地磁気逆転頻度の長期変動とコア表面の熱流量との関係を明らかにするために、広範囲のレーリー数(Ra)領域でシミュレーションを実施する。
- [3] 地球コアのダイナミクスの実態を把握するために、高分解能ダイナモシミュレーションを行い、結果の解析により、観測可能な新しい地球磁場変動の指標を見つける。
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
- [1-A] E=4x10-6でのダイナモシミュレーションにより、従来の高エクマン数ダイナモとは異なった低粘性モードのダイナモが実現することを示した。このモードで生成される外部磁場は、次数スペクトル、逆転の存在、永年変化等は地球磁場に似通った挙動を示す。
- [1-B] フーリエスペクトル法により、E=10-4でダイナモシミュレーションを実施し、スペクトル変換法と同様の結果が得られることを確かめた。
- [2] ダイナモモデル(E=10-4)のRa依存性を調べ、Ra/Rac:3.6?53.4の範囲で三つのモードが存在することを示した。
- [3] 高解像度(水平方向次数256次)ダイナモシミュレーションを実施し、結果の解析より、双極子磁場変動の時間スペクトルとコア内の乱流スペクトルとの関係を導き、双極子変動の時間スペクトルがコア内の乱流状態を表わす指標となることを示した。地球双極子磁場の時間スペクトル(周期数年から100万年)を求め、それに基づきコアの乱流スペクトル及びERaを推定した。
<達成度>
今年度は、1) E=4x10-6で低粘性モードのダイナモモデルが実現した[1-A]こと、及び 2) 地球コアの乱流状態を示す観測可能な新しい指標が見つかった[3]ことにより、研究目的達成のためには重要な進展があった。
[1-A] 90%, [1-B] 60%, [2] 70% [3] 80%