平成17年度地球シミュレータ研究プロジェクト利用報告会

プロジェクト名 : 放射線照射に伴う材料の物性変化と破壊の微視的シミュレーション

PDF 発表資料 (426KB)

発表要旨

1.プロジェクトの目的

原子力材料で重要な課題である金属材料の応力腐食割れや腐食環境にさらされている一般の構造材料の破壊過程においては、水素による材料の脆化が最も重要であり、過去100年に渡り実験等数多く行われているにも関わらず、そのメカニズムの解明には至っていない。ここでは、第一原理計算手法を用いて、転位と水素の相互作用、特に水素による転位運動の誘起効果メカニズム、及び水素による塑性局在化現象を明らかにする。

2.今年度当初の計画

BCC金属鉄の転位芯構造の解明、パイエルス応力を精密な(原子数、k-点ともに大きな)第一原理計算により決定する。また、モリブデン、鉄と水素の相互作用について解明し、BCC金属の水素に対する機械的特性の変化に関する知見を得る。

3.今年度得られた成果、および達成度

<成果>

平成16年度後半の時点でモリブデンのパイエルス応力の測定における緩和計算で、ほぼ収束したと判断していたが、新たな緩和が発見され、今年度前半はモリブデンのパイエルス応力決定の計算に集中した。その結果、他の密度汎関数法に基づく第一原理計算による結果と比較して最も小さな1.8GPaの値を得た。今回の計算は、従来のどの計算と比較しても原子数、k-点数が多い大規模かつ精密計算であるので、最も信頼出来る値を導出することが出来た。

<達成度>

70%

(現在まで、鉄の計算をまだ実施出来ていないが、モリブデンについて新しい結果を得た。)