■発表要旨
1.プロジェクトの目的
- 国産ロケット(H―ⅡA)の信頼性向上及び将来型宇宙輸送システムの開発に資する。
- 主要エンジン要素(燃焼器系・供給器系)で発生している諸問題を再現できるCFDコードを開発し、概念設計・システム評価・不具合対策等に使用し、試作・試験のサイクルを短くする。
2.今年度当初の計画
- エンジン燃焼器内部流れの解明を目標とした基礎コードの検証
- インデューサ内部キャビテーション流れ解析の実施とターボ機械内部の非定常現象に対 する予測精度の向上
- 高レイノルズ(Re)数平行平板間乱流の直接数値計算(DNS)による、乱流準秩序構造のダイナミクスの解明。特に微細構造と大規模構造の関係をウェーブレットを用いて定性的かつ定量的に評価
3.今年度得られた成果、および達成度
<成果>
- エンジン燃焼器内部流れについては、超臨界での燃焼解析ツールの候補となるプログラムの検証をベンチマーク試験との比較により実施し、概ね良い一致をみた。実形状への適応は現時点で未実施。
- ターボポンプインデューサにおけるキャビテーション流れの3次元LES解析により、逆流渦の振る舞い、キャビティ構造の分布等、実験結果を精度良く再現できる結果が得られ、キャビテーションを伴う非定常現象の定量的な議論が可能となった。またターボ機械の非定常内部流れ解析の高精度化のための実証解析を実施した。具体的には,軸流ファン内部の流れに対し,翼面に発達する乱流境界層を解像する大規模なLES解析を実施した。この結果,乱流境界層の非定常な挙動を捕らえることができることを確認した。
- 完全発達した高レイノルズ数平行平板間乱流において,ウェーブレットを用いて乱流準秩序構造のダイナミクス解析を行った.大規模構造はアクティブに乱れを生成し,流れ場全体の乱れ生成機構の重要な役割を担っている.また微細構造は大規模構造の影響を受けて,大規模な低速領域に集まる(クラスター化)ことを定性的かつ定量的に評価した.
<達成度>
- エンジン燃焼器内部流れ 80%
- ターボポンプ及びターボ機械LES解析 85%
- 高レイノルズ数平行平板間乱流 90%