発表要旨
1. プロジェクトの目的
実地球環境に出来るだけ近づけたパラメータ領域での球殻MHDダイナモシミュレーションを行い、実際に地球流体核中で起こっている地球磁場生成過程とコアのダイナミクスを解明する。
2. 今年度当初の計画
ダイナモシミュレーションでは、前年度に引き続き低いエクマン数 (E≦10-6) 及び高いレイリー数 (Ra=109程度)でのMHDダイナモシミュレーションを高解像度で実施することにより、地球コア内での磁場生成プロセスを再現・理解する。 特に、シミュレーション結果を詳細に解析することによりコアの乱流状態とダイナモ過程で生成される磁場変動の関係を明らかにする。
3. 今年度得られた成果
従来のダイナモシミュレーションモデルでは、熱的条件は下部加熱、上部冷却の定常熱対流のものがほとんどであり、実地球のような冷却過程でのダイナモ作用とは異っている可能性がある。また、地球初期の内核が無い状態で生成される磁場と、内核が存在する状態での磁場を比較することは、地球進化を考えるのに重要である。これらの考察から本年度は、内核が存在しない場合、現在と同じ大きさの内核が存在するが、流体核からマントルに流れ出す熱流量に比較して、下部加熱の割合が0%, 50%,100%の場合について、パラメータスタディを行なった。それぞれのケースについてエクマン数は10-5に固定し、レーリー数は臨界レーリー数の50倍程度までの領域で行なった。結果は磁場の形に関しては、内核の有無が軸対象成分の割合に影響を与えることが示された。下部加熱の割合が大きい場合には、流体核下部の内核直上及び内核の接円筒内部で活発な流れ場があり、内核直上の磁場も上部冷却が主な場合に比べて、高波数の流れ場が目立つ。しかし、ダイナモ層の外側での磁場の形には大きな違いは見られない。