発表要旨
1. プロジェクトの目的
地球シミュレータに最適化されたコード群を用いて,主に中緯度における異常天候の予測精度向上に資する研究を実施し,発生メカニズムと予測可能性を理解する.
2. 今年度当初の計画
- 大気,海洋,および大気海洋結合系の変動メカニズムと予測可能限界に関する研究
- 大気海洋結合モデルの高精度化
- データ同化・初期値作成手法の開発・改良
3. 今年度得られた成果
- 大気大循環モデルAFES による高解像シミュレーションにより,土壌水分量が季節スケー
ル予測可能性に与えるインパクトを調査した.また,海洋大循環モデルOFES を用いた
黒潮続流前線変動の予測実験を行ったところ,約9ヶ月先まで続流の位置・強さを正確に
予測できることがわかった.さらに,雲解像モデルCReSS を用いた高解像度シミュレー
ションにより,2006 年9月の台風13 号の詳細な構造である,北東側の強い降雨帯,お
よび,その中のスーパーセル積乱雲,さらにスーパーセルの南側に延岡市で発生した竜巻
を再現した. - 大気海洋結合モデルCFES の大気部分に関しては,雲分布の再現性向上のために積雲ス
キームおよび大規模凝結スキームの改良を行った.海洋部分に関しては,海氷の高次移流
スキームを導入し,また,より渦を解像しやすい設定での計算を開始した. - 局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)をAFES に適用し,大気観測データ
の同化実験を行った.1 年半以上に渡る期間で,安定して動作することを確認するととも
に、現実大気のアンサンブル初期値データを得た.