平成19年度 地球シミュレータ利用報告会

連結階層シミュレーションアルゴリズムの開発

発表資料 (1.5MB)

1. プロジェクト名

連結階層シミュレーションアルゴリズムの開発

Development of Macro-Micro Interlocked Simulation Algorithm

2. プロジェクト責任者名

草野 完也

Kanya Kusano

3. プロジェクトの目的

ミクロスケールにおける第1原理的詳細モデルに基づきながらマクロスケールのシステムダイナミクスを計算するための連結階層アルゴリズムを、ミクロモデルとマクロモデルの連結を通して開発する。さらに、流体、プラズマ、固体ダイナミクスに関する典型的なマルチスケール問題を設定し、連結階層シミュレーションの応用性を実証する。

4. 今年度当初の計画

前年度までに開発した流体、プラズマ、固体に関する粒子流体連結手法を現実の問題に適用し、以下の項目について応用研究を展開する。

  • (1) 粒子モデルに基づく初めての雲微物理モデルである「超水滴法」を応用した本格的な雲形成シミュレーションを実施すると共に、超水滴モデルをマクロスケールの大気力学過程に埋め込み、超水滴法を大域的領域に拡張する新たな方法の開発を開始する。
  • (2) 大規模な分子運動論(MD)モデルによる摩擦シミュレーションを実施し、摩擦における相変移と剥離の効果を調べると共に、MDモデルを連続体モデルに取り込む方法論を開発する。
  • (3) DSMCモデルと流体モデルの境界連結を用いた燃焼流体の連結階層アルゴリズムを進化させ、デトネーションに関する実験装置スケールの本格的な連結階層応用シミュレーションを実現すると共に、実験との比較研究を開始する。
  • (4) PIC法とHall-MHDおよびハイブリッド粒子流体法を用いた連結階層プラズマシミュレーションのアルゴリズムを確立する。さらに、これを用いて加速粒子と電磁流体過程の相互作用に関する研究を発展させる。
  • (5) 粒子流体連結手法をagent-basedモデルとequation-basedモデルの連結に拡張し、経済など社会科学的現象の連結階層シミュレーションに関する可能性を探る。

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

計画された各項目について着実に研究開発を進め、それぞれ以下の成果を得た。

  • (1)「超水滴法」を応用した3次元の第1原理雲形成シミュレーションを実施すると共に、これを用いて超水滴法を大域的モデルに拡張する方法を議論した。
  • (2) 分子運動論(MD)モデルによる摩擦シミュレーションを実施し、摩擦における相変移と剥離の効果を調べると共に、変数連結法によってMDモデルを連続体モデルに取り込む方法論を検討した。
  • (3) DSMCモデルと流体モデルの境界連結を用いた燃焼流体の連結階層アルゴリズムを基にデトネーションに関する本格的な連結階層応用シミュレーションを実現し、燃焼におけるミクロ効果を検討した。
  • (4) PIC法とHall-MHDおよびハイブリッド粒子流体法を用いた連結階層プラズマシミュレーションのアルゴリズムを確立した。さらに、無衝突衝撃波における加速粒子と電磁流体過程の相互作用に関する研究を発展させた。
  • (5) 粒子流体連結手法をagent-basedモデルとequation-basedモデルの連結に拡張し、経済など社会科学的現象の連結階層シミュレーションに関する可能性を探った。

達成度

総合的達成度は90%程度。