平成19年度 地球シミュレータ利用報告会

高温プラズマに於ける多階層複合物理の総合的シミュレーション研究

発表資料 (1.6MB)

1. プロジェクト名

高温プラズマに於ける多階層複合物理の総合的シミュレーション研究

Synergetic simulation study on cross-hierarchy complex physics in high-temperature plasmas

2. プロジェクト責任者名

渡邉 智彦

Tomohiko Watanabe

3. プロジェクトの目的

異なる物理スケールにまたがる大規模な計算機シミュレーションの実行により、多階層複合系の典型例である高温プラズマの閉じ込めに関する中心的研究課題の解決を図る。より具体的に、磁場閉じ込めプラズマにおける異常輸送問題に焦点を当て、高温プラズマ乱流を多次元位相空間内の分布関数変動のレベルから直接扱う大規模なジャイロ運動論的シミュレーションを推進する。これにより異常輸送現象の実相を明らかにし、輸送レベルの予測とその低減に関わる研究に寄与することを目的としている。

4. 今年度当初の計画

  • (1) プラズマ乱流輸送特性のヘリカル磁場配位依存性の解明
    • a) 輸送改善をもたらす平均流(ゾーナルフロー)の磁場配位依存性の検証
    • b) 磁場配位最適化による乱流抑制と輸送低減の研究
  • (2) 高速粒子の運動と背景プラズマの電磁的相互作用を自己無撞着に求めるハイブリッド・コードの地球シミュレータへの実装と、ヘリカル型配位における高速粒子輸送のシミュレーション研究

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

  • (1) ジャイロ運動論的ヴラソフ・シミュレーションコード(GKVコード)を用いて、磁場配位を工夫することでプラズマ閉じ込め改善をもたらすゾーナルフローが強く励起されることを示した。さらにイオン温度勾配乱流のジャイロ運動論的ヴラソフ・シミュレーションにより、磁気軸位置を内寄せにしたヘリカル磁場配位において強いゾーナルフローが励起され、熱輸送が低減されることを世界で初めて実証した。この結果は大型ヘリカル装置実験の結果に対する理解を与えるものであり、極めて重要な成果であると評価されている。
  • (2) 高速粒子-背景プラズマ相互作用を自己無撞着に求めるハイブリッド・コード(MEGA)を地球シミュレータに移植し、シミュレーションの実行を開始した。これまでに16ノード利用で高い効率を達成し、今後研究を進める準備を整えた。

達成度

上記4-(1)100%、上記4-(2)60%