平成19年度 地球シミュレータ利用報告会

分子動力学シミュレーションを用いた大規模生体超分子系の機能解析

発表資料 (1.2MB)

1. プロジェクト名

分子動力学シミュレーションを用いた大規模生体超分子系の機能解析

Analysis of the function of a large-scale supra-biomolecule system by molecular dynamics simulation

2. プロジェクト責任者名

松本 淳

Atsushi Matsumoto

3. プロジェクトの目的

申請者らは生体超分子の超並列計算を可能にする分子動力学プログラムコードSCUBAの開発を行っている。これを用いることで既存プログラムでは実行不可能であった数百万原子からなる生体超分子の分子動力学シミュレーションを地球シミュレータ上で実行し、生体超分子の機能発現メカニズムの解明を目指す。特に本プロジェクトでは、DNAからmRNAに転写された遺伝情報をアミノ酸配列に翻訳しタンパク質を合成する生体超分子であるリボソームの翻訳反応状態(新生ペプチド鎖の伸長反応)を分子動力学シミュレーションを用いて解析する。そして、リボソームにおける翻訳反応過程のメカニズムの一端を解明する。

4. 今年度当初の計画

申請者らが開発している分子動力学プログラムコードSCUBAを用いて、既存プログラムでは実行不可能であった数百万原子からなる生体超分子の分子動力学シミュレーションを地球シミュレータ上で実行し、生体超分子リボソームの動的メカニズムを解析する。

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

  • A.分子動力学シミュレーションプログラムSCUBAの開発:200万原子系の分子シミュレーションの高速計算実行を可能にした。
  • B.生体超分子リボソームの動的構造解析:リボソームの全体運動はtRNAのトランスロケーションに関与する運動であることを明らかにした。また新生ペプチド鎖が通るリボソームトンネルが開閉する仕組みを解析した。その結果、トンネルゲートを形成するタンパク質22のARG92がトンネル開閉に直接関与していることを明らかにした。

達成度

  • A.分子動力学シミュレーションプログラムSCUBAの開発(100%)
  • B.生体超分子リボソームの動的構造解析(90%)