平成20年度 地球シミュレータ利用報告会

バーチャル実証試験のための次世代計算固体力学シミュレータの開発

発表資料 (192KB)

1. プロジェクト名

バーチャル実証試験のための次世代計算固体力学シミュレータの開発

Development of the next-generation computational solid mechanics simulator for a virtual demonstration test

2. プロジェクト責任者名

塩谷 隆二

Ryuji Shioya

3. プロジェクトの目的

  • - 汎用並列有限要素法解析システムADVENTUREの地球シミュレータ上への実装
  • - 数億自由度モデルを用いた大規模非定常非線形解析の実現
  • - 実験, 解析不可能であった問題規模での現象解明, 産業界への貢献

4. 今年度当初の計画

- 2億自由度沸騰水型圧力容器(BWR)モデルの耐震解析

現在解析を行っている2億自由度BWRモデルについて,産業界で行われている実証試験より得られた実験データを用いた検証を行い,従来の解析手法である多質点系モデルによる結果と比較検討することで本研究の有効性を示す.またその結果を踏まえて,設計パラメータのパラメトリック解析を行うことにより,BWR設計開発への貢献を目指す.

H20年度は最適形状モジュール等との連携により,BWR設計開発に貢献する.

・炭素繊維強化高圧水素タンク(CFPV)モデルの耐圧解析

現在九州大学において,水素社会実現に向けて,高圧水素タンクの開発を行っているが,これについて,上記BWRと同様の技術を用いた解析,設計開発を行い,現在の耐圧140Mpaを数倍の高圧化を目指す.

H20年度は最適設計および高圧水素タンクの製造までを行う.

- 地球シミュレータ上におけるADVENTUREの利用を補助するシステムの構築

将来のシステム公開準備として,遠隔操作が可能となったESを,より効率的に利用するシステム構築を行う.

H20年度は遠隔CAEシステムのESへの実装を行う.

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

- 2億自由度沸騰水型圧力容器(BWR)モデルの耐震解析

実際の設計に用いるために,線形ソルバIBDD-DIAG法の改良を行い,動弾性解析の時間ステップ1回を67.5秒から34.7秒に短縮することに成功した.これを用いることで,地震応答解析(継続時間10秒,時間ステップ数1,000回)を10時間程度で終えることが可能となった.この成果を基に,地震の被害を受けた原子炉圧力容器を新たにモデリングし,実際に受けた地震動による地震応答解析を行うことで,地震被害の状況を検証する研究を開始することができた.

- 炭素繊維強化高圧水素タンク(CFPV)モデルの耐圧解析

斜交積層板複合材料を考慮した3次元異方性材料解析システムを開発し,実際の高圧水素貯蔵タンクから計測したFRP層の炭素繊維交差角度を用いた解析を行った.1千万自由度規模モデルを用いた弾塑性解析に成功し,FRP補強による金属ライナの耐圧性能や自緊処理の影響を検証した.

- 地球シミュレータ上におけるADVENTUREの利用を補助するシステムの構築

ベクトル化された並列オフライン可視化システムを用いて,2億自由度規模有限要素モデル解析結果の可視化(変形や応力の地震応答アニメーション)に成功した.また,ADVENTUREが稼動する並列計算機を遠隔CAEシステムとして利用するサーバ・クライアントシステムの構築を行った.ESのリモートアクセス方法に適用するためにssh接続に基づくシステムとし,大学所有の並列計算機システムを用いた実証試験に成功した.なお,ESへの実装には至らなかった.

達成度

  • - 2億自由度沸騰水型圧力容器(BWR)モデルの耐震解析:100%
  • - 炭素繊維強化高圧水素タンク(CFPV)モデルの耐圧解析: 80%
  • - 地球シミュレータ上におけるADVENTUREの利用を補助するシステムの構築:90%