平成20年度 地球シミュレータ利用報告会

高温プラズマに於ける多階層複合物理の総合的シミュレーション研究

発表資料 (1.4MB)

1. プロジェクト名

高温プラズマに於ける多階層複合物理の総合的シミュレーション研究

Synergetic simulation study on cross-hierarchy complex physics in high-temperature plasmas

2. プロジェクト責任者名

渡邉 智彦

Tomohiko Watanabe

3. プロジェクトの目的

異なる物理スケールにまたがる大規模な計算機シミュレーションの実行により、多階層複合系の典型例である高温プラズマの閉じ込めに関する中心的研究課題の解決を目指す。具体的には、磁場閉じ込めプラズマにおける異常輸送問題に焦点を当て、高温プラズマ乱流を多次元位相空間内の分布関数変動のレベルから直接扱う大規模なジャイロ運動論的シミュレーションを推進する。これにより異常輸送現象の実相を明らかにし、輸送レベルの予測とその低減に関わる研究に寄与することを目的としている。

4. 今年度当初の計画

  • (1) 分布関数揺動を陽に扱う5次元ジャイロ運動論的シミュレーション・コード(GKVコード)を用いた、乱流輸送抑制をもたらす平均流(帯状流)生成の研究
  • (2) 高速粒子の運動と背景プラズマの電磁的相互作用を自己無撞着に求めるMEGAコードを用いた、ヘリカル型配位における高速粒子輸送のシミュレーション研究

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

上記の項目(1)の計画に関しては、ヘリカル磁場閉じ込めプラズマにおいて新古典輸送により生じる平衡配位スケールをもつトーラス小半径方向の静電場が、平均流(帯状流;ゾーナルフロー)生成に及ぼす影響について、新たに拡張した5次元ジャイロ運動論的シミュレーション・コードを用いて研究を進めた。乱流輸送抑制に効果をもつゾーナルフローが、径電場の存在により、より効率的に生成され得ることが新たに見出され、ヘリカル系プラズマにおける異常輸送低減を導く新たなシナリオを提示・検証することができた。

上記の項目(2)については、MEGAコードの地球シミュレータへの移植および実行性能の評価を完了しその成果を査読付論文として発表した。

達成度

上記の項目の達成度は(1)についてはおよそ80%、上記の項目(2)についてはおよそ30%