平成20年度 地球シミュレータ利用報告会

放射線損傷に伴う材料の物性変化と破壊の微視的シミュレーション

発表資料 (1.1MB)

1. プロジェクト名

放射線損傷に伴う材料の物性変化と破壊の微視的シミュレーション

Electronic and atomistic simulations on the irradiation induced property changes and fracture in materials

2. プロジェクト責任者名

蕪木 英雄

Hideo Kaburaki

3. プロジェクトの目的

腐食環境にさらされている一般の構造材料の破壊過程においては、水素による材料の脆化が重要な課題の一つであるが、そのメカニズムの解明には至っていない。ここでは水素脆化機構の解明に資することを目指し、第一原理計算手法を用いて、転位と水素の相互作用、特に水素による転位運動の誘起効果メカニズムを明らかにするため大規模で高精度な数値シミュレーションを実施する。

4. 今年度当初の計画

モリブデンに引き続き鉄中のらせん転位に対し、粒子数231個、k空間の点数1x1x4、信頼性の高い擬ポテンシャルPAWを用いた第一原理計算により、水素が存在するときのパイエルス応力への影響を調べる。

5. 今年度得られた成果、および達成度

成果

鉄中らせん転位の周辺に水素を置き、せん断ひずみ3, 5, 7, 9, 11, 12, 15%のもとで第一原理計算によりパイエルス応力を測定した。その結果、これらのせん断ひずみ下で水素が無い場合の応力をほぼ再現した。これは、他の金属で報告されている水素による転位のすべり等の結果に反して、鉄中のらせん転位で水素の存在による明確なパイエルスポテンシャルの低下がないことを示唆することが分かった。

達成度

60%