平成22年度 地球シミュレータ利用報告会

1kmスケールで正確な全球短周期海洋変動モデリング

発表資料 (7.2MB)

1. プロジェクト名

1kmスケールで正確な全球短周期海洋変動モデリング

High-frequency Global Ocean Modeling with the 1-km Spatial Resolution

2. プロジェクト責任者名

日野 亮太 (東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター)

Ryota Hino

3. プロジェクトの目的

有限差分法を採用する順圧海洋モデルを使用し, 全球の短周期(2-20日の周期帯)海洋変動を高解像度かつ高精度でモデル化する. 特に海底圧力変動の再現性に注目する.

4. 今年度当初の計画

中規模なデータ容量(数百GB以下)で計算できるよう, プログラムのチューニングを行う. モデルの空間解像度が1/30°あるいは1/60°の計算を実施する.

5. 今年度得られた成果, および達成度

成果

空間解像度が1/30°のモデル計算を実施した. 現場海底圧力データの再現性は1/12°の場合と比べ, 却って悪くなることがわかった. 原因は, 高解像度モデリングにおいて順圧モデルを使用し続けたことにあると思われる. 1/12°の解像度のとき, 2日以上の周期帯において, 全球現場海底圧力データの再現性が最もよかった(平均相関係数で約0.6).

達成度

年度当初の研究計画を全て達成した場合を100%として数値で示してください.複数の目標があった場合は,それぞれについて達成度を数値で示してください.

  • (1) 中規模なデータ容量での計算環境への移行 100%
  • (2) MPIチューニング 50%
      MPIチューニングはしたものの, 効果的な高速化が達成されていない状況
  • (3) 解像度1/30°モデルの計算 100%

6. 計算機資源の利用状況

計算機資源の利用状況

※計画的に計算機資源を利用できているか, 状況を記載してください.

計算は基本的に東北大学サイバーサイエンスセンターのSX-9で行った.

チューニングによる成果

※ベクトル化, 並列化チューニング等, 計算機資源を有効利用するために行ったこととその効果を記載してください.

膨大なデータ容量を必要としていた中間ファイルの出力を省略するようプログラムを変更したところ, ベクトル化率の低下が起こったが, 追加的なチューニングで99.7%まで高めることができた.

計画的に利用できていない場合, その理由

ES2において, 解像度が1/60°のモデルを実行しようと考えていたが, 10km程度の解像度(1/12°)のケースの結果と比べ, 数kmの解像度(1/30°)の結果は現場の再現性の観点で却って劣ることがわかったので, 現行の枠組みでは, 1km程度の解像度(1/60°)のモデリングがどうしても必要というわけではなくなった.