平成22年度 地球シミュレータ利用報告会

安全・安心な持続可能社会のための次世代計算破壊力学シミュレータの開発

発表資料 (430KB)

1. プロジェクト名

安全・安心な持続可能社会のための次世代計算破壊力学シミュレータの開発

Development of the next-generation computational fracture mechanics simulator for constructing safe and sustainable society

2. プロジェクト責任者名

塩谷 隆二 (東洋大学総合情報学部)

Ryuji Shioya

3. プロジェクトの目的

実用大規模構造材料・機器の直接破壊シミュレータをES2上で開発し,低炭素社会構築のカギを握る小型高圧水素貯蔵タンクの超精密破壊解析や,安全・安心社会の基盤である経年化した社会的インフラストラクチャーの超精密破壊解析を通して本技術の確立を目指すことにより,21世紀の持続可能社会の構築に寄与することを目的とする.

4. 今年度当初の計画

  • ・四面体有限要素用三次元J積分プログラムのES2への移植
  • ・表面き裂を有する高圧水素貯蔵タンクの1億自由度メッシュモデルの作成
  • ・80ノード30分使用する1億自由度規模問題の構造解析,破壊力学パラメータの解析,き裂形状の更新シミュレーションを300ケース実行

5. 研究計画に沿った利用状況

四面体有限要素用三次元J積分プログラムのES2への移植を行い,大規模解析用データとして2.4億自由度,5.2億自由度モデルの作成を行った.2.4億自由度モデルについて,64ノードを用いて,1CG反復の計算を2.48sec,反復回数278回,実行時間1118.53secでの応力解析を行った.この結果を用いて破壊力学パラメータの解析について試行中である.これらの結果の検証を行い,き裂形状の更新シミュレーションを行う予定であるが,ノード時間の制限により,数ケースのみの実行を行う予定である.

6. 今年度得られた成果, および達成度

成果

四面体有限要素用三次元J積分プログラムの開発

領域積分法に基づく四面体有限要素のためのプログラム実装を行い,自動生成されたき裂解析モデルでVCCM(仮想き裂閉口積分法)の結果と比較して同等であることを確認した.また,積分領域の大きさなどに対して,J積分計算の精度保障のための条件について検討した.

大規模解析用メッシュモデルの作成

2.4億自由度,5.2億自由度モデルの作成を行った.

64ノード上での大規模モデルの応力解析

大規模き裂入りモデルの解析試行として,64ノード上での2億自由度圧力容器モデル及び2.4億自由度規模モデルの応力解析を実現した.

達成度

※年度当初の研究計画を全て達成した場合を100%として数値で示してください. 複数の目標があった場合は, それぞれについて達成度を数値で示してください.

  • 四面体有限要素用三次元J積分プログラムのES2への移植 80%
  • 表面き裂を有する高圧水素貯蔵タンクの1億自由度メッシュモデルの作成 60%
  • 80ノード30分使用する1億自由度規模問題の構造解析,破壊力学パラメータの解析,き裂形状の更新シミュレーションを300ケース実行 40%

7. 計算機資源の利用状況

計算機資源の利用状況

※計画的に計算機資源を利用できているか, 状況を記載してください.

今年度は昨年度のコードチューニングに引き続き,実行時のパラメータチューニングに重点を置いた.そのための大規模モデルの解析試行で割り当て時間の大半を消費した.

チューニングによる成果

※ベクトル化, 並列化チューニング等, 計算機資源を有効利用するために行ったこととその効果を記載してください.

パラメータチューニングを行うことにより,大規模モデルに適したパラメータを設定することにより,高い並列化効率を維持した解析を実現した.