問題適合型高精度計算ライブラリの開発
Development of Adaptive High Accuracy Libraries
長谷川 秀彦 (筑波大学図書館情報メディア研究科)
Hidehiko Hasegawa
計算の高度化・高精度化の観点で高性能コンピュータを利用し,
研究メンバにとって新しい計算環境であるため, 新しい計算環境になれること, 各メンバが所有しているソフトウェア資産の移植と予備的な実行性能測定, これまでの利用してきた計算環境との比較などが主な内容である. 詳細については, 各メンバに任せている.
ソフトウェアの移行作業をすませ, テスト実行を行った. さらに, 疎行列-ベクトル積演算について, データ変換をおこなう自動チューニング方式を開発し, 実装評価をおこなった.
現在, グループ内でのほとんどの実行時間を占め, アクティブに活動中である. 現在, L クラスの利用時間が 1,000 時間で, 年度内には 1,500 時間を消費する予定である. その他の開発では, ほとんど計算資源を利用していない.
ベクトル並列型スーパーコンピュータにおいて, RSA 暗号に使われるふるい処理の高速化を図り, 大幅な性能向上を得た. また, ベクトル機とスカラー機では性能特性が異なることが明らかになり, 性能向上のためにはアルゴリズム中で用いるパラメータ(素数基底の大きさ)をチューニングする必要性があることも明らかになった. 異なるふるい処理アルゴリズムに対して, 年度内にこれらの性能特性を検証する予定である. また, 自動チューニング機構付き線形計算ライブラリの開発では, 自動チューニング方式の性能評価に関する論文を本年度中に国際会議に論文を提出する.
※年度当初の研究計画を全て達成した場合を100%として数値で示してください. 複数の目標があった場合は, それぞれについて達成度を数値で示してください.
※計画的に計算機資源を利用できているか, 状況を記載してください.
プログラム開発が主体のプロジェクトのため, 資源利用状況を簡単にまとめるのは困難だが, RSA 暗号グループでの成果から判断すると, そこそこ計画的に利用できていると考えられる.
※ベクトル化, 並列化チューニング等, 計算機資源を有効利用するために行ったこととその効果を記載してください.
RSA暗号暗号グループでは, RSA暗号ふるい処理の一部分のベクトル化対策で, ふるい処理を約3倍高速化できた. その際, ふるい処理の並列化はまったく問題なかったが, ふるい本体に比べて演算量の少ない「ふるいデータ採取」が圧縮処理としてベクトル化されるため非常に遅く, ふるい全体の性能を低下させていた. 「ふるいデータ採取」で採取されるデータは稀(1/数百万回以下)という特性を利用し, 数万単位で採用データの有無を判定し, その区間に採用データが存在する場合だけふるい処理を行うことで高速化した.
自動チューニング機構付き線形計算ライブラリの開発におけるチューニングの効果については, 論文提出後に報告する.