平成23年度 地球シミュレータ利用報告会

安全・安心な持続可能社会のための次世代計算破壊力学シミュレータの開発

発表資料 (216KB)

1. プロジェクト名

安全・安心な持続可能社会のための次世代計算破壊力学シミュレータの開発

Development of the Next-generation Computational Fracture Mechanics Simulator for Constructing Safe and Sustainable Society

2. プロジェクト責任者名

塩谷 隆二 (東洋大学 総合情報学部)

Ryuji Shioya

3. プロジェクトの目的

実用大規模構造材料・機器の直接破壊シミュレータをES2上で開発し、低炭素社会構築のカギを握る小型高圧水素貯蔵タンクの超精密破壊解析や、安全・安心社会の基盤である経年化した社会的インフラストラクチャーの超精密破壊解析を通して本技術の確立を目指すことにより、21世紀の持続可能社会の構築に寄与することを目的とする。

4. 今年度当初の計画

80ノード30分使用する1億自由度規模問題の構造解析、破壊力学パラメータの解析、き裂形状の更新シミュレーションを300ケース実行。
 80ノード1時間使用する1億自由度高圧水素貯蔵タンクのき裂進展解析を、150ケース実行。

5. 研究計画に沿った利用状況

昨年度ES2に移植した四面体有限要素用三次元J積分プログラムの動作検証のため、複数のき裂入り解析データによる試解析を行った。230万〜1億自由度の5つのモデルに対してそれぞれ解析を行い、1億自由度モデルについて、64ノードを用いて、1CG反復の計算を0.92sec、反復回数67回、実行時間1986.62secでの応力解析を行った。また、実問題に即した形状による1.4億自由度モデルでの計算を現在行っている。また、これらのメッシュ作成のため、疎分割メッシュから要素細分割技術により大規模メッシュを生成するプログラムを開発し、試験中である。 加えて、パラメータチューニングの一環として、複数の前処理による解析時間の短縮効果を計測した。大規模複雑形状の2.1億自由度モデルを使って各前処理を使用した解析を行い、解析時間・前処理の計算時間・CG反復数・メモリ使用量を計測した。

6. 今年度得られた成果、 および達成度

成果

四面体有限要素用三次元き裂パラメータ計算手法の開発

ES2による有限要素法解析結果に基づく、領域積分法(J積分)や、仮想き裂閉口積分法(VCCM)によるき裂パラメータ解析を可能にすることに成功した。ES2上での解析を行う大規模モデルからき裂パラメータ解析に必要なデータだけを抽出してデータ転送を行い、解析者のローカル環境で破壊力学パラメータの計算実行を可能にした。

大規模解析用メッシュモデルの作成

大規模解析用メッシュ細分割プログラムを作成し、ES2への移植を開始した。

64ノード上での大規模モデルの応力解析

大規模き裂入りモデルの解析を行った。具体的には、き裂入り単純形状の1億自由度モデルによる64ノード上での解析を行った。また、き裂入り複雑形状の1.4億自由度モデルについて現在計算中である。

達成度

(年度当初の研究計画を全て達成した場合を100%として数値で示してください。複数の目標があった場合は、それぞれについて達成度を数値で示してください。)

80ノード30分使用する1億自由度規模問題の構造解析、破壊力学パラメータの解析、き裂形状の更新シミュレーションを300ケース実行 : 90%
 80ノード1時間使用する1億自由度高圧水素貯蔵タンクのき裂進展解析を、150ケース実行 : 60%

7. 計算機資源の利用状況

計算機資源の利用状況

今年度は昨年度のコードチューニングに引き続き、実行時のパラメータチューニングを行うとともに、き裂入りモデルの解析を実施するにいたった。そのための大規模モデルの解析で割り当て時間の大半を消費した。

チューニングによる成果

(ベクトル化、並列化チューニング等、計算機資源を有効利用するために行ったこととその効果を記載してください。)

実行時パラメータチューニングとして、領域分割パラメータと前処理の種類の相関関係について調査を行い、高い並列化効率を維持した上での処理時間の短縮を実現した。

計画的に利用できていない場合、その理由

該当なし。

8. 新聞、雑誌での掲載記事

該当なし。