平成24年度 地球シミュレータ利用報告会

安全・安心な持続可能社会のための次世代計算破壊力学シミュレータの開発

発表資料 (564KB)

1. プロジェクト名

安全・安心な持続可能社会のための次世代計算破壊力学シミュレータの開発

Development of the Next-generation Computational Fracture Mechanics Simulator for Constructing Safe and Sustainable Society

2. プロジェクト責任者名

塩谷 隆二 (東洋大学 総合情報学部)

Ryuji Shioya

3. プロジェクトの目的

実用大規模構造材料・機器の直接破壊シミュレータをES2上で開発し、低炭素社会構築のカギを握る小型高圧水素貯蔵タンクの超精密破壊解析や、安全・安心社会の基盤である経年化した社会的インフラストラクチャーの超精密破壊解析を通して本技術の確立を目指すことにより、21世紀の持続可能社会の構築に寄与することを目的とする。

4. 今年度当初の計画

a) ES2上での仮想き裂閉口積分法(VCCM)によるき裂パラメータの計算
 b) き裂の数を数百から数千までを見据えたモデルの作成と、ES2上での解析
 c) 領域積分法に基づく、ロバストかつ精度の良い三次元J積分手法の提案およびプログラムの実装
 d) ES2と京コンピュータの性能比較

5. 研究計画に沿った利用状況

昨年度に引き続き、ES2に移植した四面体有限要素用三次元J積分プログラムの動作検証を行い、実問題に即した形状による1.4億自由度モデルでの計算を行った。昨年度開発した疎分割メッシュから要素細分割技術により大規模メッシュを生成するプログラムに対し、き裂形状を正確に再現するための節点再配置技術を開発し、試解析を行った。
加えて、次世代HPC環境とのパフォーマンス比較による相互利用戦略を検討するため、ES2と京コンピュータで同一の大規模複雑形状の2.1億自由度モデルを用いて解析を行い、解析時間、反復法における反復回数、メモリ使用量の比較を行った。

6. 今年度得られた成果、 および達成度

成果

大規模解析用メッシュモデルの作成:き裂パラメータ計算の精度向上のため、昨年度開発した大規模解析用メッシュ細分割プログラムに対し、亀裂前縁の節点位置を最適化し、き裂形状を正確に再現できるように改良を行った。また、複数き裂の進展に伴う、き裂の結合に対応したメッシュ生成技術を開発した。
 64ノード上での大規模モデルの応力解析 : 大規模き裂入りモデルの解析を行った。具体的には、き裂入り単純形状の1.4億自由度モデルによる64ノード上での解析を行った。
 京コンピュータとのパフォーマンス比較 : ES2と京コンピュータで同一の大規模複雑形状の2.1億自由度モデルを使って解析を行い、解析時間、反復法における反復回数、メモリ使用量の比較を行い結果について検討中である。

達成度

(年度当初の研究計画を全て達成した場合を100% / 複数の目標があった場合は、それぞれについて達成度を数値で記載)

a) ES2上での仮想き裂閉口積分法(VCCM)によるき裂パラメータの計算 : 50%
 b) き裂の数を数百から数千までを見据えたモデルの作成と、ES2上での解析 : 70%
 c) 領域積分法に基づく、ロバストかつ精度の良い三次元J積分手法の提案およびプログラムの実装 : 80%
 d) ES2と京コンピュータの性能比較 : 50%

7. 計算機資源の利用状況

計算機資源の利用状況

昨年度のパラメータチューニングの成果を基に、ES2における大規模モデル解析の標準的なパラメータを整理した。複雑形状のモデルに対して、領域分割パラメータの設定が特に重要なため、調査を継続している。また、ES2と京コンピュータの比較のための計算を行った。

チューニングによる成果

(ベクトル化、 並列化チューニング等、 計算機資源を有効利用するために行ったこととその効果を記載)

大規模複雑形状モデルに対する領域分割パラメータの設定を調査中である。

計画的に利用できていない場合、その理由

該当なし。

8. 新聞、雑誌での掲載記事

該当なし。