核融合炉先進ブランケットにおけるMHD熱伝達データベースの構築
Development of MHD Heat Transfer Database at Design Conditions of Advanced Blanket System in Fusion Reactor
山本 義暢 (山梨大学 大学院医学工学総合研究部)
Yoshinobu Yamamoto
先進核融合炉ブランケット設計条件は、高ハルトマン数(磁場効果)・高レイノルズ数(乱流効果)・高プラントル数(熱拡散効果)状態の複合・複雑現象として出現し、理論・実験的取り扱いが極めて困難な、極限的MHD(Magnet-hydro-dynamics)熱輸送現象である。
本研究では、地球シミュレータを駆使し、実行効率16TFLOPS以上の高速かつ高精度MHD熱輸送現象のシミュレーション手法を開発する。そして開発コードを用い、MHD熱伝達の物理機構の解明と物理モデリングに取り組むものである。
本研究では、高ハルトマン数、高レイノルズ数、高プラントル数状態におけるMHD乱流熱伝達現象であり、その現象解明においては、大規模メモリかつ長時間の時間積分を行うことが必須である。従って、地球シミュレータの最大構成上(128ノード)での高速・大容量計算コードの開発をまず実施する。具体的には、多段Fat-tree上でのノード間通信性能の検証及び最適化を行い、地球シミュレータ128ノード/1024CPU上で、実行演算速度16TFLOPS以上を目指す。
4月 :
4月初旬ESへのプログラム移植を行い、2週間程度で128ノードまでの利用許可を得ることができた。またES特有のステージングの問題については、ユーザーサポートの支援を受け、対処可能となった。上記のように、東北大学SX-9上で開発を行ったコードを移植するだけで、ESでの最大構成(128ノード)において、ベクトル化率95%以上、並列化効率50%以上を達成することができた。
しかしその一方で、実行効率は14.6TFLOPS程度であり、目標の16TFLOPSには届かなかった。
5月-6月 :
そこで2ヶ月程度をかけて、ES上でのチューニングを行い、実行演算速度21TFLOPSが得られ、6月末の段階でES上でのプログラム開発を完了できた。
7月-8月 :
開発コードを用いて実際のデータベース構築のためのCPU時間の延長許可が得られたことにより、7月-8月にかけて、128ノードを利用した大規模直接数値計算を実行した。ただし時間計測のトラブルにより、3割程度CPU時間を浪費し、データベースの時間積分長がやや不足している状況である。
9月-12月 :
現在は得られたデータベースの解析をS系において順次行っており、乱流モデル開発に関する知見をまとめている状況である。
1) 地球シミュレータ128ノード(1024CPU)上で、実行効率20%、実行演算速度21TFLOPSの高速・大規模MHD熱伝達直接計算コード開発に成功した。
2) 開発コードを用いて、核融合炉デザイン条件下でのDNSデータベース構築を実行した。(CPU時間追加による、追加課題:80%)
3) DNSデータベースを用いて、乱流構造解析及びMHD乱流モデリングに関する知見を得た。その結果、熱伝達相関式の提案を行うとともに、乱流モデリングに関する指針を得た。(当初目標外、2年目実施予定内容)
(年度当初の研究計画を全て達成した場合を100% / 複数の目標があった場合は、それぞれについて達成度を数値で記載)
100%
上記のように、ES利用に関しては前半段階で今年度の利用分(及び追加分)を消費し、データベース構築及びその解析に着手している状況である。また問題となった、時間計測にかんするトラブルについても、原因は不明のままであるが、回避方法は判明したため、次年度においては、まったく支障はないと考えている。
(ベクトル化、 並列化チューニング等、 計算機資源を有効利用するために行ったこととその効果を記載)
上記のように、東北大学SX-9で開発したコードを移植した際、多段Fat-treeによるalltoall通信については、ノード間通信のスケジューリング(128段階分割)により、ESにおいても効率的に行えることを確認した。一方、隣接間通信(シフト通信)において、コンフリクトする部分がプログラム情報により判明し、この部分を回避するようにプログラムを修正した。その結果、実行演算速度21TFLOPSが達成できた。
該当なし。
該当なし。