高度計算表現法研究グループ / 研究

Last Update : 2007.5.18

3次元ベクトルデータの可視化

 地球シミュレータでのシミュレーション結果を解析する際、大規模なベクトルデータ(例えば風 の動き)を如何に解析するのかは大変重要な問題です。多くの場合データが格納されている格子点上において、ベクトルを矢印などで表現し解析しています。こ のような表現は分かりやすい反面、扱う格子点が多くなると矢印が密に重なり合うことにより、シミュレーション結果の領域全体(例えば500^3のデータ) を、限られた大きさ(例えば500×500ピクセル)の画像の中で表現しようとすると、何を可視化しているのかがよく分からなくなります。
 このような問題を解決するために、矢印など用いた手法ではなく、重なり合う状態を表現するのに適した手法であるボリュームレンダリングを用いて、ベクトルデータを可視 化する事を提案し、研究しています。このようなベクトル場の表現方法は、市販の可視化ソフトではまだ採用されていません。
 ボリュームレンダリングを用いるためには、何らかの形でベクトルの成分で表される方向性、ならびに強さといった情報を、スカラー値のデータとして表すこ とが必要です。そのために、Line Integral Convolution (LIC)法などの手法に注目しています。
 LIC法とは、適当な値をもつ格子状のスカラーデータを用意し、各格子点上でベクトルの流線を追跡し、流線の方向に対して格子点上のデータを分布させる ことにより、ベクトル場の振る舞いを、スカラー値で表現する手法です。 LIC法を用いることにより、ベクトルデータを矢印などではなく、曲線的に色調や濃淡で直感的に分かりやすく表す事が出来ます。
 そこで、従来2次元場の解析に用いられ開発されているこの手法を、3次元場の解析のために拡張しました。そして大規模なベクトルデータを間引かずに領域 全体を可視化し、その有効性を確認することが出来ました。
 しかしながら、現状のLIC法の計算は大変時間がかかるなどの問題点があります。 そこで、より高速に計算を行うことが可能で、さらに表現をより分かりやすく進化させた、ベクトル値のスカラー値による表現手法を研究しています。