高度計算表現法研究グループ / 研究
Last Update : 2010.4.5
VFIVE :
Virtual Reality Visualization Software for CAVE Systems
ダウンロードできます。 NEW
VR装置CAVE
CAVEとよばれる方式のVR(Virtual Reality)装置は、
イリノイ大学シカゴ校で開発された。
既に世界中にCAVE型のVR装置が導入されている。
地球シミュレータセンターにも一台CAVE装置がある。
このCAVEにはBRAVEという名前が付けられている。
CAVEの中心部分は大きなスクリーンに取り囲まれた部屋である。
CAVEシステムには様々なバリエーションがあるが、
通常のCAVEには、正面、右面、左面の3つの壁面に加え、床面の合計4つのスクリーンがある。
壁面には背後に置かれたプロジェクターからステレオ画像が投影され、
床面には天井に設置されたプロジェクターからステレオ画像が投影される。
立体眼鏡をかけた体験者がこの部屋の中に入り込むと、
文字通り体ごとステレオ画像に取り囲まれるので、高い没入感が得られる。
地球シミュレータセンターに設置されたCAVE型VR装置「BRAVE」。
CAVEの特徴は、大きなスクリーンでできた部屋に入り込んで立体画像を見るということだけでない。
体験者がかける眼鏡には、位置と方向を測るセンサーがついているので、
CAVEの計算機システムには、その眼鏡をかけている人の目が常に分かっている。
このセンサーは、CAVEの部屋の三次元空間の中でどの位置にあるかだけでなく、
その視線方向までもリアルタイムで検出している。
この視点情報を使い、各スクリーンに映し出すべき立体画像をリアルタイムで変更している(射影計算をしている)。
つまり、体験者の目の位置が常に分かっているので、
その瞬間に、そこから見えるべき画像を高速に(一秒間に数回から20回以上も)計算し、
各スクリーン(壁面+床面)に適切な画像が常投影されるよう計算しているわけである。
地球シミュレータセンターのCAVE装置BRAVEは、
この部屋の4つの面(3つの壁と床)にステレオ映像が投影される。
データを解析するシミュレーション研究者(ここではビューアと呼ぶ)は、
液晶を使ったシャッターつきの立体眼鏡をかけ、
この部屋の中に入る。
この眼鏡には、右と左に交互に高速にシャッターがおりる。
右目用の画像がスクリーンに投影される瞬間、
それに同期して左目にはシャッターがおりるので、
常に右目は右目用の画像を、左目は左目用の画像を見ることで画像が立体視が実現される。
ビューアはステレオ画像に文字通り取り囲まれるので、
常に広い立体視野角が保証される。
(つまりきょろきょろと見回してみても常に目に立体画像が入ってくる。)
これがCAVE装置で非常に高い没入感が得られる重要な要因である。
スクリーンどうしの境目でもステレオ画像が互いに滑らかにつながるように投影される。
可視化物体のコントロール、つまりVR世界とのインターフェースにはワンド(またはワンダ)
と呼ばれる手持ちのコントローラ(一種の3次元マウス)を使う。
眼鏡とワンドには磁気センサーがついており、
ビューアの視点の位置・視線方向や、手の位置・向きをリアルタイムで検出している。
ビューアがCAVE内部を自由に歩き回ったりしゃがみ込んだりしても、
常にその位置から見えるべき映像がリアルタイムで4つのスクリーンに投影されるので、全てが自然に見える。
たとえば目の前に何か仮想物体(ボール)が浮いているとして、
その向こう側を見たければ、自分の足で歩いていってボールの向こう側に回り込み、
振り返ってみればいい。
CAVEの没入感、現実感は非常に高く、産業や教育、心理学の研究から芸術にまで使われている。
我々はVR装置として優れた機能をもつこのCAVE装置を、
シミュレーションデータの可視化という目的のために使っている。
CAVE用データ可視化ソフトウェアVFIVE
CAVEというハードウェアをデータ可視化に使うためには当然ソフトウェアが必要となる。
現在、CAVEで利用できる可視化ソフトウェアがいくつか販売されているが、
我々はそのようなソフトウェアが登場する前から自分達で、CAVE用の3次元可視化ソフトウェアを開発してきた。
OpenGLとCAVE libを使ってVRプログラムを作るための入門的なプログラミングガイド[kageyama, 1998a]も書いた。
さまざまな可視化プログラムを書いてきたが、
その経験を通じて、
多くのシミュレーションデータの解析で共通して利用できる可視化機能があることがあることに気がついた。
そこでそれらの昨日をまとめて汎用のVR可視化ソフトウェアを開発することにした(1999年頃)。
こうして作ったCAVEシステム用の汎用シミュレーションデータ可視化プログラムが
VFIVEである[kageyama, 2000]。
現在のところVFIVEの最新版はv3.8である。
最終版はv.5と決めている。
VFIVEは、OpenGLとCAVE LibというほとんどのCAVE装置が共通してもっているはずのライブラリを使っているだけなので、
多くのCAVEで使えるはずである。
これまでに試したCAVE装置は3面型、4面型のCAVE装置、
ImmersaDeskという1面型の装置、CAVE libを利用したHMD装置などであり、
全て何の問題もなくVFIVEが利用できた。
VFIVEの主要な目的は、
複雑な3次元ベクトル場を3次元のまま解析することである。
このために、
仮想現実(VR)技術の持つ立体感や対話性、
没入感などの特徴を利用した様々な可視化モジュールを開発した。
VFIVEには簡単なメニュー機能があり、
様々な可視化機能やその対象となる場を容易に選択することが可能である。
VFIVEにはまた、曲線や曲面の座標データをオプションとして渡すことによって、
それらの物体をVR空間内に自動的に構成し、
表示させる機能も持つ。
VFIVEは本来、
シミュレーションの解析に利用することを想定して開発が始められたが、
入力データ形式やその可視化機能には汎用性があるため、
様々な分野の実験や観測データの解析等にも応用できる。
VFIVEを用いたCAVE空間内でのVR可視化の例 : 静止画
| VFIVEではこの図のように、目の前に浮かんだメニューを仮想レーザービームで選択することにより可視化手法を切り替える。 |
|
| 視点移動の様子(QuickTime)
|
|
| 矢印による流れ場の可視化 |
|
|
|
|
| 等値面(ここではしろい棒状の物体)によるスカラー値分布の可視化。
|
|
|
粒子軌道追跡。
手に持ったワンドのボタンをクリックすると、
手の先から次々とテスト粒子を放出され、その運動を観察することで3次元の流れ場構造が直感的に把握できる
|
|
| 流線に太さと色によって情報を付加した「チューブ」による流れ場の可視化
|
|
|
「リボン」による流れ場の可視化。
|
|
| ボリュームレンダリング。
|
|
VFIVEを用いたCAVE空間内でのVR可視化の例 : 動画
VFIVE (基本バージョン)
TEXMAKER
注意
- ご使用前に、利用規約を読んでください
- CAVELibおよびC++コンパイラが必要です
- Windows環境では、glext.hが必要です。インターネットからダウンロードして、ソースファイル群と同じディレクトリに入れてコンパイルしてください
- Makefileは、環境に合わせて修正してください(Unix)
- マルチスレッド版をご使用の方は、tex_maker.cppもダウンロード、コンパイルして、
実行ファイルをVFIVEの実行ファイルと同じディレクトリに入れてください。GLUTが必要です。
VFIVEが、このプログラム(tex_maker)を呼び出します
VFIVE(を使っている映像)が登場した新聞記事など
- 読売新聞(夕刊):2009年4月9日、「写旬=人間気象衛星に変身」
- 神奈川新聞:2008年11月11日、「バーチャルで学ぶお天気」
- 青森放送 : 2007年10月14日、ニュートンのリンゴ No.157「地球の未来が見える?」~地球シミュレータ~
- サブラ : 2007年 Vol.12、「篠山紀信, “TOKYO ADDICT”」
- 企業実務 : 2007年7月号、「地球内部などに入り込める仮想空間」
- Nature : "Virtual journey to the centre of the Earth", vol.447, pp.365, 24 May 2007
- "地球のデータを3D化する技術を開発 (Japanese Scientists In Eye Of Storm... With Goggles)", AFP, 2007年05月14日 配信
- 朝日新聞:2007年5月8日、「地球内部の動きが「見える」「可視化」の技術を開発」
- 日経サイエンス:2005年9月号、「立体画像の中で見えるもの、失うもの」
- 東京新聞:2005年5月10日、「地磁気の逆転 解明の夢」
- NHK教育テレビ:2005年4月、「科学大好き土曜塾」
- 雑誌Japan Inc: November 2003 issue, " Heavy Weather "
論文
VFIVE関係
-
Nobuaki Ohno and Akira Kageyama,
Region-of-Interest Visualization by CAVE VR System with Automatic Control of Level-of-Detail,
Computer Physics Communications, Vol.181, Issue 4, pp.720-725 (2010)
- 陰山聡, 大野暢亮,
バーチャルリアリティを用いた対話的3次元可視化ソフトウェアの開発とその応用
J.Plasma Fusion Res. vol.84, No.11, pp.834-843 (2008)
- N.Ohno and A.Kageyama,
Scientific visualization of geophysical simulation data by the CAVE VR system with volume rendering,
Phys. Earth Planet. Interiors Vol.163, pp. 305-311 (2007)
- N. OHNO, A. KAGEYAMA and K. KUSANO,
Virtual reality visualization by CAVE with VFIVE and VTK,
J. Plasma Physics Vol.72, part 6, pp.1069-1072 (2006)
-
Akira Kageyama, Nobuaki Ohno,
Tutorial introduction to Virtual Reality: What possibility are offered to our field?,
Proceedings of ISSS-7, Kyoto March 2005, pp.127-136;
arXiv:physics/0512066;
PDF (with higher resolution figures)
-
陰山 聡, 大野 暢亮,
地球シミュレータデータの可視化,
上智大学理工学部講義「ビジュアリゼーション(科学技術における応用)」2005年, テキスト, pp.30--35;
PDF
-
Akira Kageyama , Yuichi Tamura, and Tetsuya Sato,
Scientific Visualization in Physics Research by CompleXcope CAVE System ,
Transactions of the Virtual Reality Society of Japan, Vol.4, No.4, pp.717-722 (1999)
- Akira Kageyama, Yuichi Tamura, and Tetsuya Sato,
Visualization of Vector Field by Virtual Reality,
Progress of Theoretical Physics Supplement, No.138, pp.665-673 (2000)
VR可視化一般
- Nobuaki Ohno and Akira Kageyama,
Introduction to Virtual Reality Visualization by the CAVE System,
Advanced Methods for Space Simulations, pp.167-207 TERRAPUB Tokyo (2007) ISBN978-4-88704-138-7
- 陰山 聡、 佐藤 哲也,
VRシステムCompleXcopeプログラミングガイド,
(CAVEシステム用プログラミングガイド)
NIFS-MEMO-28, Sep. 1998;
PDF
-
A. Kageyama, T. Hayashi, R. Horiuchi, K. Watanabe, and T. Sato,
Data Visualization by a Virtual Reality System,
Proc. 16th Int. Conf. Numerical Simulation of Plasmas,
pp.138-142, Santa Barbara, CA, USA, 10-12 Februaly 1998;
PDF