コンピュータが出力する計算結果は、そのままでは単なる数値の固まりに過ぎません。しかも、その数値が何百万個から何十億個も在るのです。このままでは、せっかく計算したのに、その結果を理解することができません。
そこで、出力された計算結果=数字の固まりを、目に見える形、すなわち「絵」にすることで人間が計算結果を分かるようにしているのです。
この「絵にする」事が可視化です。実際には、コンピュータグラフィックスを使って、コンピュータのディスプレイ上などに絵を描いています。
しかし、可視化を極限まで簡単に言えば確かに「絵を描くこと」ですが、実際にはシミュレーション結果を人間が理解するための重要な手段であり、シミュレーションと切っても切り離せない、非常に重要なものです。
一例をあげますと、地球シミュレータで行われる大気の高解像度シミュレーションでは、一つの物理変数について一ステップあたりの出力結果のデータサイズは、約2.64GB(全角文字で約14億文字分に相当)になります。実際には、複数の変数について出力しますし、それらが複数のステップにおいて繰り返し出力されます。そのため、地球シミュレータでは、あるシミュレーションを用いた計算結果の総データサイズがTB(1TB=1024GB)の単位に達することが稀ではありません。
一方で、既存の可視化用プログラムの多くでは、扱えるデータサイズの上限が2GBとなっています。また2GB以上のデータを扱えると謳っているプログラムでも、実際にはそれ以上のデータを扱うのは性能的に難しかったり、様々な制限が加わったりするのが現状です。