適合細分化格子(adaptive mesh refinement; AMR)は、計算格子を局所的に細かくすることによって、高分解能を得る方法である。従来、AMR は衝撃波を精度良く分解する技法として用いられてきたが、近年では、大きなスケールと小さなスケールを横断するシミュレーションの技法として注目されている。
宇宙物理学の分野では、AMR を用いたシミュレーションによる成果はめざましい。とくに自己重力系では、大きなスケールから何桁も小さな天体が形成するために、形成される天体を分解する技法として AMR は必須になりつつある。
本セミナーでは、AMR を用いたシミュレーションを、宇宙物理学の分野を中心に概観する。AMR とてその効用は万能ではなく、AMR を用いることによる問題点もあり、その点も指摘する。また、我々のグループが開発した AMR による成果も紹介する。さらに、AMR における双曲型偏微分方程式・楕円型偏微分方程式の解法についても解説する。