平成16年度地球フロンティア研究システム研究員等公募について


本件の募集は終了しております。参考資料の為、掲載しておりますのでご注意下さい。

1.地球フロンティア研究システムの目的について

 地球温暖化、異常気象等の地球変動現象は、自然の生態系や人類の将来に深刻な影響を与える重大な問題であり、その解明と予測は喫緊の課題となっています。
 地球フロンティア研究システムでは、地球を一つのシステムとしてとらえ大気、海洋、陸域の複雑な相互作用の解明と、これを反映したモデル研究を行い、地球規模の諸現象の予測に資する研究を実施しております。
 上記の目的を達成するため必要な研究課題を設定するとともに期間を区切って集中的研究を実施するため、国内外より広く優秀な研究者を募集します。
 研究期間は平成9年度より20年間とし、1期10年間の2期に分けて行ない、5年毎に外部の有識者による研究評価を行いつつ実施します。  

2.地球フロンティア研究システムの位置づけ

 地球フロンティア研究システムは卓越した研究指導者を中心とした流動研究員方式により、平成9年度より海洋科学技術センターと宇宙開発事業団の共同プロジェクトとして実施しております。
 本研究システムは、データ解析やモデル実験による地球変動の個別過程とそれを結びつけた地球環境の諸要素(気候、大気組成、生態系など)のモデル作りの研究を行うもので、並行して実施されている地球観測フロンティア研究システムによる観測、平成14年3月に完成した地球シミュレータ(理論ピーク性能40 TFLOPS)によるシミュレーション研究開発とともに三位一体で地球変動予測の実現に資するものです。また、日米政府間のコモンアジェンダ(日米包括経済協議における地球的展望に立った協力のための共通課題)の下において協力枠組が作られているハワイのIPRC(国際太平洋研究センター)やアラスカのIARC(国際北極圏研究センター)における日本側の主要なプロジェクトとなっています。

3.募集対象研究領域、要求される研究者

 本年度は、各研究領域(気候変動予測、水循環予測、地球温暖化予測、大気組成変動予測、生態系変動予測、モデル統合化)の研究者および研究推進スタッフを募集します。研究推進スタッフは、研究領域において計算機システムを使用し技術的な研究支援をする方、修士卒以上の当該分野あるいは関連分野の研究経験を有し研究補助に従事しながら博士号取得をめざす方が対象です。
 また、平成14年度より「人・自然・地球共生プロジェクト」研究(期間:平成14年〜平成18年)を開始しました。「人・自然・地球共生プロジェクト」(以下、共生プロジェクト研究と略記。)は、我が国が取り組むべき国家的な研究開発課題を、大学、国立研究機関、特殊法人や民間の研究部門の連携によって効率的に推進することを目的として、平成14年度から文部科学省により新たに開始された「新世紀重点研究推進プラン(RR2002)」の一環を成すものです。共生プロジェクト研究は、人類の社会に重大な影響を及ぼす恐れのある地球温暖化や異常気象等の現象を科学的に解明し、適切な対応を図ることを目的としています。この共生プロジェクト研究課題のうち、地球フロンティア研究システムは以下に記したテーマにおける基幹研究機関として研究を担当します。本年度は、これらの研究テーマに従事する研究者および研究推進スタッフも合わせて募集します。

a) 高分解能大気海洋モデルを用いた地球温暖化予測に関する研究(サブ課題担当)
b) 地球環境変化予測のための地球システム統合モデルの開発
c) 適応変分法四次元データ同化システムの開発と再解析統合データセットの作成及び検証


(1)気候変動予測研究領域

 主にアジア・太平洋域の気候変動及び関連する大気海洋の現象の実態を解明し、これを予測する高度なシステムの構築に資することを目標とします。
 この領域の主な研究課題は、数十年スケールまでの、主に海洋性の気候変動を解析し、その発生機構を明らかにすることです。具体的には黒潮等の海流変動、北太平洋気候のレジーム・シフト、エルニーニョ/南方振動、インド洋のダイポールとモンスーンの変動などを解析し、その発生機構の解明に貢献します。
 データ解析、いろいろな自由度の大気、海洋、大気海洋結合モデルの作成、これに基づくシミュレーションなどを行い、変動予測の基礎となる物理過程の理解を深めることに主眼を置きますが、学際的な応用研究を通して最新の研究成果を社会へ伝達することにも関心を持っています。地球流体力学的な基礎研究を推進することもこの領域の特徴です。

○ 要求される研究者
 大学院で海洋物理学、気象力学、地球流体力学、気候力学、あるいは関係する物理学分野を専攻し、数値モデルもしくはデータ解析にも興味のある方、特に大循環モデルや数値計算の知識を持っている方や統計的な処理手法の基礎知識を持っている方が理想的です。本領域は外国人研究者が多いことから、適切なレベルの英会話力と英作文力が必要です。特に本年度は次の研究課題に取り組む研究者を求めています。

1) 大気・海洋気候モデリングおよび予測可能性研究関係
地球シミュレータを活用する大気海洋結合大循環モデルの開発研究に中心的に従事する方や、高解像の大気モデルや海洋モデルを用いて気候変動予測や予測可能性研究を推進する研究者を求めています。欧州との二国間協定に基づいて推進中の国際共同研究への積極的な参加を希望します。
2)日本沿海予測実験関係
太平洋モデルにネスティングした超高解像度海洋モデルを用いて、黒潮変動の予測可能性の研究やその応用研究を行う研究者を求めています。


(2)水循環予測研究領域
 水循環予測研究領域では、アジアモンスーンとそれに伴う水循環、水資源の変動のメカニズムの解明を目指しています。また、今後それらが地球温暖化など、人間活動の影響によってどのように変化するかを予測するため、全球および領域気候モデルを用いた研究及びその改良のための基礎研究も実施しています。
 既存の気象・(水文・土地利用データなどのほか、GAME(アジアモンスーンエネルギー・水循環研究観測計画)をはじめとする集中観測データや「地球観測フロンティア研究システム」により取得されるデータ、衛星によるリモートセンシングデータなどをモデル研究に活用します。
 基本的には、既存の大気大循環モデル(GCM)およびRAMS、MM5、ARPSなどの領域モデルを利用するものの、以下の点に留意したモデルの改良・拡張を計りながら、アジア域における降水・降雪や水循環の変動(日変化、季節内変動、季節変化及び経年変動)のメカニズム解明とこれらの予測に関する研究を実施します。

     
  • 大陸規模から積雲対流規模までのさまざまな水平規模の気象・水文のモデリング

  • 土壌水分、凍土、雪氷、植生、土地利用改変などの陸面諸過程のモデリング

  • 様々な状態の地表面が混在した地域や複雑地形上の蒸発散と降水過程のモデリング

  • 水の安定同位体やその他の物質輸送のモデリング

  • 客観解析データ・衛星データなどを用いた全球および大陸スケールでのエネルギー水循環解析

  • 水循環変動予測のための大気陸面結合モデルの改良および次世代の領域気候モデルの構築

  • 統合化研究領域の全球気候モデリングにおける水循環過程モデリングでの連携と貢献

○要求される研究者
 大学/大学院で気象学・気候学、水文学などに関係する分野を専攻し、気候・水循環のモデリング全般に興味と関心のある方を求めています。特にモデルによる研究に堪能な方や、モデル開発の能力を有する方、あるいはデータの統計的力学的解析に堪能な研究者を求めています。 特に本年度は次の研究課題に取り組む研究者を求めています。

1)広領域水循環グループ
(a) 大気大循環モデルを用いた全球/大陸スケールの水循環過程の研究
(b) 客観解析・衛星データ(TRMM, SSM/I, GMS etc) 等を用いた全球/大陸スケールの水・エネルギー循環過程の解析的研究

2)陸面水循環グループ
(a) ユーラシア大陸における地表面状態が東アジアの気候・水循環に及ぼす影響に関する研究
(b) 予測のための大気陸面結合モデ水循環変動ルの改良および次世代の領域気候モデルの構築

3) 雲・降水過程グループ
(a) 雲解像モデルを用いたメソα〜メソγスケールの雲システムの組織化とパラメータ化に関する研究
(b) 雲解像モデルやデータ解析を用いた、雲・降水−陸面相互作用に関する研究


(3)地球温暖化予測研究領域

 地球温暖化の物理的及び化学的機構を理解し、その定量的予測を目標として研究を行います。この領域は、温暖化、炭素循環及び古気候の三部門から成り、次の研究課題を有しています。

1)温暖化研究
様々な気候の数値モデルを使い、温暖化にともなって大気・海洋・陸面の状態がどう変わるかの数値シミュレーションを行い、物理機構変化のメカニズムを明らかにする。また温暖化にともなって温帯低気圧、熱帯低気圧、梅雨前線、エルニーニョ南方振動等、気候とって重要な現象がどう変わるかを研究する。

2)炭素循環研究
局所的な海洋生態系モデルから3次元気候モデル、中規模渦分解モデルに海洋物質循環・生態系を組み込んだものまで様々なモデルを用いて、温暖化に伴い二酸化炭素の海洋における吸収量や生態系がどのように変わるかを調べる。また、古気候研究グループと共同して古海洋物質循環を研究する。

3)古気候研究
様々な気候の数値モデルを駆使して、氷河期・間氷期等の古気候の解明を行う。また大陸氷床の数値モデルを大気大循環モデル等と結合して、氷河期の大氷床の維持機構を解明する。一方、現在のグリーンランド氷床・南極大陸氷床が将来どうなるかを予測する。過去に起った大きな気候変動に関してシミュレーションを通じて、モデルをテストするのもこの部門の課題である。
 
○要求される研究者・研究推進スタッフ
 この領域では、数値モデルを使った全球的変動の物理的・化学的機構の研究に重点をおき、特に大学院で気候学、海洋学、地球化学、海洋生物学、古気候学等を専攻し、数値モデリングに興味を持った人、特に過去・現在・将来の気候・海洋循環等に興味を持ち、数値モデルを開発・使用した経験のある研究者および研究推進スタッフを求めています。


(4)大気組成変動予測研究領域
 本研究領域では二酸化炭素・メタンなどの長寿命温室効果ガス、及びエアロゾル・オゾン・それらの前駆体物質など短寿命大気成分など気候変動および大気質変動の直接的原因となる大気組成成分を研究対象としています。今後の研究方向として、インバースモデリングなどによる温室効果ガス等のソース・シンク推定の精度の向上、エアロゾル・オゾンなどによる気候影響と環境影響の相互作用研究に重点を置きます。またオゾン・エアロゾルなどの半球規模汚染問題を取り上げ、大陸間長距離輸送・化学変質プロセス、東アジアにおける人間活動の大気環境影響の評価を視点とする研究を重視します。さらに日本ではまだほとんど手がついていない対流圏化学種を対象とした衛星観測データの利用とモデル研究との結合をめざした研究を推進します。

○要求される研究者
本研究領域では、次のような研究を推進するために、大気化学の基礎知識を持ち、全球・地域または都市スケールでの三次元モデルに経験もしくは興味のある研究者、また、対流圏化学種を対象とした衛星観測データの利用に関心のある研究者を求めています。

  • 全球・地域・都市スケール化学輸送モデル研究
     気候変動と大気質変動のフィードバックプロセスの研究、光化学オキシダント予測などへの化学天気予報の応用研究、エアロゾルを含む地域スケール精密化学輸送モデルの開発研究などのいずれかを行います。
  • 対流圏化学衛星データ解析研究
    SCIAMACHY, GOME, MOPITTなどの衛星データを用いて、アジア域のモデルの検証、長距離越境汚染、発生源と汚染分布の関係の解析などを行います。


(5)生態系変動予測研究領域
地球規模での気候・環境の変動に係わる生態系の構造と機能の変動の解明を目的とします。具体的には、アジア太平洋地域を中心として、幅広い気候帯での構成生物種の分布や生物生産量などの分布とその変動、また、生態系−大気系における物質循環や相互作用等の機構のモデル化を行います。
二酸化炭素の増加・地球温暖化のような地球規模の急速な環境変化に生態系がどのように応答するかは全く新しい問題であり、その予測が可能かどうか必ずしも明らかではありません。一方で温暖化防止枠組み条約は生態系への危険な影響防止を目指しており、そのためには事前予測がなされていなければなりません。この研究は、他の領域と同様に予測モデルの構築を目標としておりますが、当面は、幅広い基礎的知識の積み上げから始めます。

○要求される研究者
生態系の構造や機能のモデル化に興味のある方を求めます。特に、生態系と大気の相互作用のモデル化、また、気候変動等による生態系変動のモデル化、さらに、生態系パラメータの空間・時間変動の観測、モデル化に興味を持ち、その分野での基礎知識を有する方を求めます。
 本年度は次の研究課題に取り組む研究者を求めています。

1)陸域生態系・大気結合モデル研究グループ
 生態系における物質循環や生態系と大気との相互作用のプロセス研究に興味を持ち、そのモデル化、シミュレーションについての基礎知識を有する研究者

2)生態系アーキテクチャモデル研究グループ
 樹木レベルからランドスケープレベルまでを含む植生変動のモデル化に興味をもち、数理生態学についての基礎知識を有する研究者

3) 生態系地理的分布モデル研究グループ
 生態系の機能や構造の計測、モデル化に興味を持ち、リモートセンシングや地理情報システムに基礎知識のある研究者

4) 海洋生物過程モデル研究グループ
 海洋生態系の機能や構造の計測、モデル化に興味を持ち、海洋生物学に基礎知識のある研究者


(6)モデル統合化領域

 当領域では、平成14年3月に完成した超並列スーパーコンピュータ、地球シミュレータを利用して高解像度の新しい気候モデルおよびモデルを用いて観測データを解析する海洋データ同化システムの開発を進めています。開発の目標は次の通りです。

1) スペクトル大気モデル(T 213、鉛直50層)、海洋大循環モデル(水平格子間隔0.1°、鉛直50層程度)および両者を結合した大気・海洋結合モデル。
この結合モデルの重要な応用として、目標より一まわり解像度の低いモデルを開発しそれを用いた地球温暖化実験を共生プロジェクト((7)参照)の一課題として、東京大学気候システム研究センター、国立環境研究所と協力し実施している。その後目標とする高解像度のモデルを作る。

2) 球面をほぼ一様に覆う、立方体または20面体を基にした格子システムによる超高解像度次世代大気および海洋モデル。一つは、超高解像度(水平格子間隔5km程度)大気・陸面モデルで、熱帯域のクラウド・クラスターをはじめ、メソ・スケールの大気現象を直接(パラメタライズしないで)扱うことを目指す。海洋モデルは、従来の極座標の欠点である両極の特異点のない立方体格子で、10劵瓮奪轡紊留臆鯀モデルを目指す。

3) 物理的気候システムに加え、大気−海洋−陸上生態系間炭素循環、大気組成など物理気候以外の要素をも取り入れた地球環境全体のモデル。他研究領域と協力して平成14年度より共生プロジェクトの一部として開発を進めている。
 
4) 海洋データ同化システムの研究・開発。データ同化の主な目的は、人工衛星計測などによる観測データを数値予報モデルに取り込み、力学的に整合性のある良質な4次元データセットや初期値を作成することにある。近年は、観測手段の高度化や予測精度を向上させるために、高度な同化手法の研究が求められており、本グループでは、変分法などを用いて高精度の初期値データ・再解析データセットを作成できる海洋データ同化システムの開発・改良を目指している。

○要求される研究者
 気候モデリング/海洋大循環モデリング全般に興味と経験のある方及び海洋データ同化システムの作製・改良に必要とされる能力と意欲を持つ方を求めています。同時に物理学、流体計算など関連分野の出身で気候モデル/同化モデル作りに参加しようという意欲を持った方も歓迎します。
 当領域の研究・開発内容は(7)「人・自然・地球共生プロジェクト」において要求されるものと重なる部分もありますが、次に記す具体的研究開発課題に従事する人を当領域で求めます。

1)〜3)モデル開発グループ

  • 既存のスペクトル大気モデルの高解像度化に伴う諸物理過程の改良、特に大気境界層と積雲対流モデリング
  • 非静力学大気モデルの開発

  • 世界海洋循環モデルの開発

  • 気候モデルの並列計算機用コーディング

4)データ同化研究グループ

  • アジョイント法やカルマンフィルターによる全球データ同化モデルの改良と解析

  • 衛星データ、TRITON/TAOデータ、ARGOデータ等の現場観測データを用いた太平洋高分解能データ同化システムの研究開発とエルニーニョ等の時間発展を追跡しうる高品質のデータセットの開発・処理・解析


(7)「人・自然・地球共生プロジェクト」研究推進テーマ
平成14年度から平成18年度まで行われる文部科学省による「人・自然・地球共生プロジェクト」を受けて実施する研究テーマおよび要求される研究者は次のとおりです。

<高分解能大気海洋モデルを用いた地球温暖化予測に関する研究>
 この研究テーマでは、東京大学気候システム研究センターならびに国立環境研究所と協力して、高分解能の大気海洋結合モデルを開発し、IPCC排出シナリオに基づいて地球温暖化予測実験を行うことを目的としています。大気モデルは梅雨前線や熱帯低気圧などの擾乱が表現できる水平分解能1°程度、海洋モデルは中規模渦がある程度表現できるとともに、熱塩循環の沈み込み域などの複雑な海流系を表現できる水平分解能1/4°x1/6°程度です。このモデルを用いて、基準実験、温暖化実験、20世紀再現実験などを行い、温暖化に関する新しい知見を得ることを目指します。既にモデルはほぼ完成し、モデルの問題点を克服しつつ、実験・解析を行う段階に入っています。

○要求される研究者
 本研究テーマは,あくまで目的を持ったプロジェクト研究であり、全体として成果を挙げることが求められています。モデルの開発・改良に興味を持つと同時に、高分解能モデルの結果を詳細に解析して科学的に解釈することができる、意欲ある研究者を求めます。

<地球環境変化予測のための地球システム統合モデルの開発>
地球温暖化予測の社会的重要性が益々高まり、その中で森林のCO2吸収作用が重視されるのに伴い、炭素循環と地球温暖化・気候変化の間のフィードバックを取り入れた温暖化予測が緊急の課題となって来ています。
地球フロンティア研究システムでは、文部科学省による「人・自然・地球共生プロジェクト」を受け、各領域で進められて来た海洋及び陸域の炭素循環モデル、大気組成モデルなど個別のモデルを可能な範囲で結び付けた地球環境の統合モデルを作るのに着手することにしました。特に、全球炭素循環と気候変化の相互作用を取り入れたモデルを作り、数年内に地球温暖化実験を行う予定です。

○要求される研究者
 地球フロンティア研究システムの各プログラムにおいては、統合モデルの基礎となる個別プロセスの研究や個別モデル作りが進行中です。今回募集の研究者は既存プログラムの研究者と協力し、複数の既存モデルの統合を行うとともに、感度実験等によって結合系に固有のフィードバック機構を明らかにし、その知見を個別プロセスの改良に反映させて結合モデルを作り上げる仕事に従事します。生態系のダイナミクスと物質循環、成層圏、対流圏の大気物理・化学過程、海氷、氷床のモデリングなどの諸問題の研究に興味を持っている方、できれば経験のある方を求めます。(平成16年度は、予算の都合で採用できない可能性もあります。)

<適応変分法四次元データ同化システムの開発と再解析統合データセットの作成及び検証>
この研究テーマでは、気候予測精度の向上に求められる初期値化用再解析データの作成に重要な四次元データ同化システムの高度化に向け、アジョイント法とアンサンブル・カルマンフィルタを適応的に併用した高度な適応変分法四次元データ同化モデルの研究開発とそのシステム化を主な目的としています。また、開発した同化システムを用いて再解析データセットを作成し、システムの性能を評価します。ベースとなる数値モデルとしては、地球シミュレータセンターで開発・改良されるフル結合気候モデルを使用する予定ですが、まず、単体の適応変分法データ同化モデルを開発し、次にブリーディング法等を用いて有限時空間での誤差の時間発展を効果的に追跡できるアンサンブル数と最適フィッティングに関する適切な組み合わせを探査します。そして、これらのintegrated system としてのフル結合四次元データ同化システムのプロトタイプを構築し、気候値再現精度ならびに1ヶ月毎のプレ再解析値による初期値化予測実験精度等が、気候モデルに関する国際metricsを充足するよう改良を加え、これを適用して再解析データセットを試作し、数理統計処理を行って、研究開発した四次元データ同化システムの総合的な評価を行います。

○要求される研究者
 本研究テーマでは、気象学、海洋物理学、計算科学の立場から、大気や海洋あるいは陸面のデータ同化手法の高度化とシステム化を中心に、大循環モデル、陸面モデル、データ同化(特に変分法データ同化)、データ処理及び解析等に興味を持ち、プロジェクト研究の推進に貢献できる能力を有する研究者を求めます。

4.研究環境・設備等

  ベクトル計算可能な高速計算サーバ、多目的汎用サーバを中心とした計算機システムが整備されており、海洋科学技術センター等のスーパーコンピュータが利用可能なネットワークシステム環境が整備されております。また、研究の内容により地球シミュレータが利用可能です。

5.応募資格

【研究員への応募について】
対象研究領域に関連する分野の博士号取得者(採用日までに取得可能な者を含む)、またはこれと同等の研究能力を有する者。
【研究推進スタッフへの応募について】
研究推進スタッフの職務には、(1) 研究領域において計算機システムを使用する技術的な研究支援を職務とするテクニカルスタッフ、(2) 研究領域において専門的な知識・経験に基づき研究補助を職務とするリサーチアシスタント、上記2つのカテゴリーがあります。
(2) については、修士卒以上もしくは当該分野あるいは関連する分野の研究経験を有し研究補助に従事しながら博士号取得をめざす方が対象です。

国籍・性別・年齢を問いません。
※地球フロンティア研究システムでは、全ての職員の雇用に関し男女平等の理念を持っております。

6.勤務地

地球フロンティア研究システム(海洋科学技術センター 横浜研究所内)
神奈川県横浜市金沢区昭和町3173-25

7.職位及び契約期間

1) 契約期間は、平成16年4月1日〜平成17年3月31日までとし、以降研究の進捗状況等により一年毎の契約と致します。

注)原則として、ポスドク研究員・研究推進スタッフ(「5.応募資格」の項 (2) )は最長3年間、一般研究員は最長5年間までの任期を可能とします。任期満了後は、地球フロンティア研究システムの研究推進に不可欠で業績が非常に良好と判断された場合において、新たに5年間の一般研究員としての資格を得る場合があります。

2) 研究体制及び研究分野等を考慮し、海洋科学技術センターとの契約に基づいた下記に示すグループリーダー、サブリーダー、一般研究員、ポスドク研究員および研究推進スタッフとして受け入れます。
【グループリーダー】
サブリーダー、研究員及び研究推進スタッフを指揮監督し、研究グループを統括する。
【サブリーダー】
研究員及び研究推進スタッフを指揮監督し、研究グループを統括する。
【一般研究員及びポスドク研究員】
グループリーダー又はサブリーダーの指揮監督のもとに、研究を実施する。
【研究推進スタッフ】
グループリーダー、サブリーダー、又は研究員の指揮監督のもとに、専門的知識・経験に基づき研究領域における研究補助および推進業務を行う。

8.処遇等

(1)給与 :中堅研究員クラス  年俸約700万円〜約900万円(常勤)
          (一般研究員〜グループリーダークラス)
:若手研究員クラス  年俸約400万円〜約700万円(常勤)
          (ポスドク〜一般研究員クラス)
 研究能力、研究役割等に応じて優遇。
(2)赴任旅費 :支給(規定に準ずる)
(3)各種保険等    :あり(科学技術健康保険組合・厚生年金保険・科学技術厚生年金基金・雇用保険・労働者災害補償保険等)
(4)宿舎       :借上宿舎制度あり(規定に準ずる)
(5)通勤手当     :支給
(6)休日及び休暇  

:土日祝祭日・年末年始
年次有給休暇・特別有給休暇・介護休暇・育児休業等。
その他海洋科学技術センターが指定する日

(7)その他     :共済会有

9.応募方法

(1)応募書類
ア. 本システムにおける研究計画(応募する研究領域(複数応募可)を明記し、複数の研究領域に応募する場合は、各研究領域に対応した研究計画を用意すること。)  1通(A4一枚程度)
イ. 所見をいただける方2名による本人のリファレンスレターまたは推薦書(所見をいただける方より、直接、人事担当宛郵送のこと。封筒に「推薦する応募者名」を明記のこと。) 各1通
ウ. 履歴書  1通
エ. 論文リスト(レフェリー制のあるジャーナルとその他の研究、学術出版物に分けること。)  1通

注1) 研究推進スタッフに応募する方は、応募する研究領域名および研究推進スタッフへ応募する旨を明記のこと。

注2) 研究推進スタッフに応募する方で、「5.応募資格」にある(1) を職務とする研究推進スタッフに応募する場合は、職務経歴書を添付のこと。

(2)提出方法
郵送による。
  
(3)提出先 
〒236-0001
横浜市金沢区昭和町3173−25
海洋科学技術センター フロンティア研究推進室 フロンティア研究推進課
地球フロンティア人事担当宛

10.応募締切

 平成15年8月31日まで(締切当日消印有効)


11.選考・採用について

(1)募集締切後、書類選考及び面接を順次行い、採用を決定いたします。着任時期については相談に応じます。
(2)面接試験は日本語または英語で受けることができます。

12.注意事項

 (1)提出書類に不備がある場合、受理しない場合があります。
 (2)提出書類は一切返却致しません。
 (3)採用内定時に健康診断書を提出していただきます。
 (4)応募後に辞退される場合は、辞退届を提出してください。

13.備考  

  • 問合せ先:地球フロンティア研究システム 人事担当 長田
    E-mail:koubo-frsgc@jamstec.go.jp
    TEL 045-778-5679(直通) FAX 045-778-5497


  • 関連の情報は次の各ホームページに掲載しております。

    地球フロンティア研究システム:http://www.jamstec.go.jp/frsgc/jp/
    海洋科学技術センター: http://www.jamstec.go.jp
    *海洋科学技術センターは、科学研究費補助金交付の対象機関です。


  • 地球フロンティア研究システムでは毎年度研究員公募を行っております。


  • 海洋科学技術センターは、平成16年4月より独立行政法人として生まれ変わり、海洋研究開発機構 として地球環境研究に携わる業務を継続します。
  • 以上