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陸域生態系モデル研究グループ

図:生態系モデルを用いた陸域生態系-大気間のCO2交換シミュレーション研究の概要

陸域生態系モデル研究グループでは、森林や草原などの陸域生態系と大気との間の二酸化炭素(CO
2)交換をモデル化し、地球環境変動に対する応答をシミュレートする研究を行っています。陸域生態系のCO2交換は、地球温暖化の進行速度に影響を与え、京都議定書の温室効果ガス排出削減項目にも含められています。簡便なボックス-フロー型のモデルで生態系構造を表現し、メカニスティックな方法で光合成によるCO2吸収と呼吸によるCO2放出を計算します。微気象学的な方法で現地観測が実施されている数地点にモデルをあてはめて、計算結果を観測データと比較することでモデルの精度を検証しています。多くのデータを収集するため、内外のプロジェクトに積極的に参加しています。一方、全球データを利用することで世界の陸域生態系についてモデル計算を行い、広域的な陸域生態系によるCO2交換量の推定を行っています。広域的モデルシミュレーションでは、人工衛星による陸域生態系観測データを利用したモデル開発・検証も重要な課題です。例えばアジア地域を対象とした高分解能モデルによる植生生産力マッピングを行っているが、そこでは衛星観測による土地利用分布データを使用しています。最近、地球シミュレータ上で地球環境変動の数値実験を行う地球システムモデルが開発されていますが、その一部である陸域炭素循環コンポーネントの開発を担っています。

図:3次元的な空間構造を明示的にモデリングした仮想森林。個葉レベルの生理過程が林分レベルの動態へ与える影響について、適切なシミュレートを行えることが期待される。

森林生態系は、陸域の有機態炭素の巨大な貯蔵庫であり、地球環境への大きなフィードバック効果を持っています。この研究では、森林生態系に焦点をあて、その地球環境変化に応答した長期的な変化を予測するモデル提出を目的としています。特に3次元的な生態系の空間構造(生態系アーキテクチャ)に注目して、さまざまなスケールの生態過程のモデルを関連づけていきます。植物個葉レベルの生理生態学的な過程と個体群過程の間のギャップを埋めるべく、樹木個体ベースモデルを開発し、その知見に基づいて、気候変化への森林タイプの地理分布帯応答をシミュレートする林分ベースモデルに展開させていきます。