TOPIC Frontier Newsletter No.13 Jan.2001


地球観測フロンティア研究システム
本コーナーでは、地球フロンティアとともに地球変動の研究に取り組んでいます地球観測フロンティア 研究システムの活動を紹介致します。
今回は、水循環観測研究領域門田勤サブリーダーに2000 年の チベット観測についてお話を伺いました。




チベット観測2000

門田勤(地球観測フロンティア水循環観測研究領域)



チベット高原は、大気大循環に対し て大きな力学的・熱的効果を持ってお り、同地域の水・熱循環の季節変化及 び長期変動とそのプロセスを解明する ことは、アジアモンスーンなど地球規 模の気候システムを理解する上で重要 である。地球観測フロンティア水循環 観測研究領域陸域グループは、チベッ ト高原における観測研究を2000 年度か ら開始した。

図1:チベット高原の該略図
図1 :チベット高原の概略図
今回のルートを太線で、主要通過地点及び観測機器設置地点をG 、S 等の大文字で示してある。

8 月末から10 月初めにかけてチベ ット高原を訪れた。ラサ(標高: 3600m )を起点に最西端のシーチョワ ンホーまで往復およそ3600km の行程 で、道中の平均高度は4000m を超え、 途中5000m 以上の峠をいくつも越えて いくルートである。図1 はチベット高 原の概略図で今回とったルートを太線 で、また測器設置地点をG 及びS で示 してある。高度順化等諸準備に1 週間 程ラサで費やした後、西へ向かった。 観測機材の運搬はトラック、隊員の移 動にはオフロード車を使用した。今年 の夏は降水量が多かったとのことで、 比較的狭い谷あいの道は、道路や橋が ところどころ流失し、また平坦地では 泥濘となっていたため、最初の目的地 ガイゼに到着するまで普通4 日行程の ところに6 日もかかるなどと苦労させ られた。悪路を朝から晩まで1 日中車 に揺られていくのは疲れることであっ た・・・

改則(ガイゼ)気象局構内におけるAWS 設置風景

図2
改則(ガイゼ)気象局構内におけるAWS 設置風景

今夏の訪問目的は以下の通りであった。

(1) 西チベットの改則(ガイゼ:標高 約4400 m )及び獅泉河(シーチョ ワンホー:標高約4300 m )のAWS (Automatic Weather System )の保 守・点検と新たに土壌水分地温計 測装置(2m 深まで地温は10 層、 土壌水分は6 層で測定)、深層地温 計測装置(10m 深までの8 層で測 定)を設置すること。これは、 1 9 9 7 年にJEXAM (J a p a n e s e Experiment on Asian Monsoon ) の一環として設置され稼動中の AWS のフォロウアップである。改 則気象台構内におけるAWS 設置風 景を図2 に示す。


(2) 獅泉河(インダス河の源流)流域 の水収支研究に資するために降水 量計を新たに設置すること。 来年度以降は西チベットでの観測研 究に加え、2002 −2003 年に予定されて いるCEOP(共同観測強化期間)のIOP と 連携しつつ東チベットにおける長期観 測拠点の設立を図る予定である。



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