TOPIC Frontier Newsletter No.14 Mar.2001


地球観測フロンティア研究システム
本コーナーでは、地球フロンティアとともに地球変動の研究に取り組んでいます地球観測フロンティア 研究システムの活動を紹介致します。
今回は、城岡 竜一 サブリーダー(気候変動観測研究領域、水循環観測研究領域兼務)に研究成果の一例についてお話を伺いました。




パラオ周辺域での長期気候観測計画 (PALAU)について

城岡竜一(地球観測フロンティア 気候変動観測研究領域・水循環観測研究領域


 西部熱帯太平洋域は、気候システムの形成を考える上で、特にエルニーニョ南方振動(ENSO)イベントのキーエリアとして重要である。

地球観測フロンティア研究システムの気候変動観測研究領域と水循環観測研究領域では、西部熱帯太平洋域(パラオ周辺)における大気海洋相互作用と雲降水過程を明らかにするため、長期の気象観測計画としてPALAU (Pacific Area Long-term Atmospheric observation for the Understanding of climate change) プロジェクトを開始した。このプロジェクトでは西部熱帯太平洋域の暖水プール上で発生する、クラウドクラスター・スーパークラスター・季節内変動等の階層構造や、特にエルニーニョの引き金となる西風バーストの特徴を捕らえることを目指している。


図1 PALAU2000観測領域
PALAU2000観測領域





 2000年の集中観測(PALAU2000)では、海洋地球研究船「みらい」のMR00-K07クルーズ(停船観測点、北緯2゚東経138゚)と同期し、パラオ共和国ペリリュー島における各種地上気象要素(気温・湿度・風向・風速・降水量・気圧・各種放射量・可降水量等)の連続観測に加え、グアムからの無人気象観測機「エアロゾンデ」による3次元高層気象観測を実施した。

 2001年の集中観測(PALAU2001)では、熱帯海洋上の水蒸気輸送をより詳しく捕らえるため、ペリリュー島にトータルスカイイメージャとシーロメータを導入し、マイクロ波放射計を用いた水蒸気の鉛直分布の連続観測を行う予定である。また、「エアロゾンデ」をパラオから飛行させることにより、「みらい」ドップラーレーダーとの連携を密にした観測を計画している。

 今後は、パラオにドップラーレーダーサイトを構築して十年スケールの長期連続観測を行う体制を整え、季節内変動からENSOイベントまでをターゲットとして気候変動予測に貢献するデータの取得を行うとともに、航空機や可搬型レーダー等を用いた多角的な集中観測を展開し、熱帯域の暖水プール上で発生する積雲対流の構造解明を目指す予定である。

エアロゾンデ写真
エアロゾンデ写真



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