| TOPIC | Frontier Newsletter No.15 Jul.2001 |
| 本コーナーでは、地球フロンティアと共に、地球変動の研究に取り組む地球観測フロンティア研究システムの活動を紹介致します。今回は、気候変動観測研究領域 亜表層・中層の海洋変動グループの岩坂直人サブリーダーにお話を伺いました。 |
| 中層プロファイリングフロートによる海洋亜表層中層の観測と監視 | |
| 岩坂 直人(地球観測フロンティア 気候変動観測研究領域) |
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当グループは、天候の中長期予報や気候変動予測において重要な海洋の亜表層・中層の観測的研究を行っている。また、海洋科学技術センター海洋観測研究部と共同で、日本政府ミレニアムプロジェクトのひとつ「高度海洋観測システムの構築」において中心的役割を担っている。この計画は、全海洋の監視網をプロファイリングフロートによって構築しようとする国際ARGO計画の一翼を担う日本の計画で、平成12年度から5カ年計画で実施されている。 グループは四竃グループリーダの下、サブリーダ2名(須賀、岩坂)、研究員3名(小林、岡、蒋)、研究支援スタッフ4名(松浦、楊、宮崎、市川)で構成されている。 当グループの研究課題は、フロートによる亜表層・中層観測網構築の他に、海洋物理学的研究として(1)北太平洋におけるサブダクション過程の研究(冬季表層混合層の実態、水塊の起源と広がりなどの解明)、(2) 黒潮再循環の研究(亜熱帯モード水の形成、移動とpool regionの海水の更新、黒潮再循環系の変動の解明)、(3)中低緯度における中層水の更新・循環の研究(北太平洋中層水形成過程、亜寒帯、亜熱帯、熱帯間の中層水交換等の解明)、(4) 亜表層・中層の熱的変動の研究、の4つの課題を掲げている。 当グループでは観測船みらいによって平成12年度末までに黒潮続流の南北に合計17本のフロートを投入し観測を行っている。また、高圧タンクを用いたフロートの浮力調整やセンサー検定などの技術を修得した。さらに、実海域でのセンサーの比較実験、ARGOS経由で送られてくる観測データの処理、データ品質管理のためのシステム構築なども行った。これらは海洋観測研究部と合同の活動である。また海洋大循環モデルの計算結果に基づくフロート展開計画立案のための技術や過去の海洋観測データに基づく品質管理手法の開発も行った。海洋物理的研究活動としては、事例研究として予備投入された2本のフロートの観測に基づく黒潮続流南方の水塊分布や渦の構造について調べた。 今年度は関根浜でセンサーへの生物付着の影響を調べる実験や実海域センサー比較実験を行う。また、海洋同化モデルにフロート観測値を取り込むための技術開発も始めた。フロートは平成13年夏以降年度末にかけて太平洋西部全域に合わせて60本以上、インド洋東部に10本展開する計画になっている。そして、最終的には太平洋西部、インド洋などに合わせて400本以上のフロートを投入する計画である。研究面では、昨年度末に投入したフロートのデータの蓄積を待ち、続流の北側、南側それぞれでの水塊分布について調べることになっている。
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グループメンバー: 前列左から岩坂、四竃、須賀、市川 後列左から岡、宮崎、松浦、蒋、揚、小林 |
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