| 沼口サブリーダーの急逝を悼む |
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観測フロンティア水循環領域広域グループにおいて、各地の降水・陸水の採取と同位体分析を行い、これとGCM による水蒸気輸送計算とを併用するという画期的方法を用いて、大気・水圏を巡る水の循環像を解明しつつあった沼口敦サブリーダーは、6 月30 日に北海道において遭難された。観測・理論・計算の全てが一流の稀有の才能が37 歳で突然逝かれたのは惜しんでも余りある。
シベリアからインドネシアに至るまさに広域の採水観測のインストールの殆どを完了し、今まさに成果を出そうという矢先であった。謹んで御冥福をお祈りするとともに、研究員らと共に彼の遺志を継いで研究を完成させる所存である。
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(地球観測フロンティア研究システム 水循環予測研究領域グループリーダー 山中大学)
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沼口さんは、気候モデリングに関しても地球フロンティアの研究にとっても大の恩人であった。彼とは、1984 年東大で学部生として進学して来てからのつき合いであるが、登山や天文観測の好きな自然愛好家である一方、彼は数理物理的知識に優れ、コンピューターや情報技術に関して抜群の才能に恵まれていた。
新任の住助教授の指導の下に気象庁から移植されたAGCM を改造して可変性を持った使い易い気候モデルを作る仕事に取り掛かり、国立環境研究所に移ったあと完成させた。この沼口さんの力作は、現在CCSR/NIES モデルとなって地球フロンティアでも利用しており、さらにこれの高解像度版を開発して「地球シミュレータ」上で地球温暖化実験を行う予定である。
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(地球フロンティア研究システム システム長 松野太郎)
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