新コーナー
領域ニュース
今月号より、地球変動研究所の6 領域、ハワイ、アラスカの2 つの研究所からの最近の研究の動向、学会参加などを含めて、領域で起きている出来事をご紹介したいと思います。
気候変動予測研究領域
8 月より、海外から客員研究員2 名、研究員1 名が着任。客員研究員の一人はインドのアンドラ大学教授のバハスカール・ラオ博士。積雲パラメタリゼーションや放射スキーム等の研究の第一人者で、気候変動解明のための数値モデルを構築してきた。フロンティアでは、モジュラータイプの大気大循環モデル(FrAM )の改良計画に関わる。
パリ大学の俊秀セバスチャン・マッソン博士は、国際的に将来が嘱望される若手の大気海洋結合モデラー。インド洋熱帯域の大規模な大気海洋相互作用における淡水フラックスの役割を明らかにした。ダイポールモード現象の研究で世界をリードする本領域をポスドクの場に選んだという。ヨーロッパ共同体の大気・海洋結合大循環モデルを用いて、地球フロンティアとの共同研究の推進に大いに意欲を燃やしている。
以前、STA フェローとして同領域で成果を挙げ、南京気象学院の正教授に昇進した管兆勇博士が正規研究員として、ついに戻って来た。前回の滞在時に発表した北極振動、南極振動などのデータ解析研究を生かしながら、大気大循環モデルを用いたテレコネクションなどの現象解明に力を入れる予定である。
水循環予測研究領域
7 月に開かれた第8 回International Association of Meteorology and Atmospheric Science (IAMAS )国際会議に、安成領域長及び増田、冨田、山崎、久芳、円山の5人の研究員が参加した。積雪モデルの国際比較の初期解析結果の討議、雲シミュレーションの為に新しく開発された微物理モデルの紹介、雪片の併合成長過程を計算するモデルの結果及びアジアのモンスーン循環に関する解析結果を紹介するなど、今後の研究に有益な見解を得られた。
9 月初旬にパリで開催されたGEWEX (全球エネルギー水循環研究計画)国際会議には、同研究計画の副議長を勤める安成を始め、増田、鈴木、福富の4 人が参加した。植生の役割も含めた大気陸面水収支の季節変化と経年変動などに関する水循環予測での研究の活性化が予測される。
キシュタワル研究員により、TRMM (熱帯降雨観測衛星計画)のデータを使用し、海上の降水の高さの分布と海面水温やモンスーン循環との関係に関する解析が進められている。また7 月には、韓国の気象研究所より姜成大研究員が着任した。
地球温暖化予測研究領域
岩朝美晴研究員の会議参加報告を紹介したい。
7 月10 日から18 日までオーストリアのインスブルックで開催されたIAMAS 2001 に参加した。IPCC Report の最新の話題についての招待講演に始まり、大気科学の広い研究分野にわたって発表があった。私は気候モデルのセッションで、放射対流平衡大気中の水蒸気分布を決めている循環のメカニズムについて口頭発表を行った。
大規模なGCM を用いた研究結果の発表が多かった中、単純なモデルを用いた 私の発表に多数集まっていただいたのは幸いであった。発表後数人の方から質問やご感想をいただいたが、名前ではよく存じ上げている著名な方々であったことを後から知り、今も興奮と冷汗が交錯している。
日曜日に独り訪ねたシュトゥバイタールからの帰りのSTB (電車)の窓からは,アルプスの村の教会にかかる美しい虹を見ることができた。
大気組成変動予測研究領域
6 月にパリで開かれたWorkshop on emissions of chemical species and aerosols に秋元領域長、大原サブリーダー、顔研究員、山地推進スタッフが出席し、エミッションインベントリー・サブグループで初めてとなるプレゼンテーションを行った。
9 月3 日には、米アルゴンヌ研究所のストリーツ博士を招き、セミナー講演を行った。本領域では、ストリーツ博士と共同してアジア域の高解像度エミッションインベントリーの作成を目指している。
また7 月にインスブルックで開催された2001IAMAS 国際会議には秋元、Wild 、滝川、Zhang 、Pochanart 、金谷、Najaの7 人が参加した。 同領域ではまた、11 月19 、20 日に横浜研究所で開催する大気組成変動シンポジウム−観測とモデルの統合化をめざして−の準備を進めている。
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