領域ニュース

気候変動予測研究領域アイコン
 国際海洋物理学会議(IAPSO )と国際海洋生物学会議(IABO ) は2 年に一度交互に開かれる海洋学の国際会議であるが、今年 は初めて両会議が同時に開催された。場所はアルゼンチンのマ ー・デル・プラタ、期間は10 月21 日から26 日までであった。

 我々の領域からは、ラオ研究員と羅研究員の2 名が参加した。 彼らはそれぞれ「インド洋ダイポールモード現象(IOD )に伴う ベンガル湾での海面温度(SST )変動」及び「長周期のエルニーニ ョ/南方振動とそれに伴う南太平洋の水温変動」について講演 をしたが、これらはインド洋・太平洋の気候変動研究で極めて 話題性の高いテーマである。そのため同海域の気候変動研究で 活躍している多くの研究者達の関心を集めた。

 インド洋ダイポールモードは最近発見された大気と海洋の結合現象として広く この会議で受け入れられた。インド洋ダイポールモード現象及 びそれと大気・海洋の様々な力学現象との関係についての講演 が6 件あったが、特にエルニーニョ/南方振動との関連につい て討議された。また、様々な海洋環境分野に関する発表も行わ れ、非常に興味深いものであった。


水循環予測研究領域アイコン
 10 月には、名古屋で開催されたGAME (全球エネルギー水循 環研究計画)国際会議には、領域長の安成を始め、高田、鈴木、 遠藤、田中、Kishtawal 、福富、冨田、山崎の9 人の研究員が参加 した。モンスーンアジアの大気の水収支の時間的特徴、東シベ リア・ヤクーツクにおける可降水量の時間変動の特徴、ツンド ラ地域の地表面のエネルギーと水のバランス等、領域の研究成 果を発表した。

 GAME 会議の後すぐに岐阜で行われた気象学会には山岬、高 田、山崎、久芳、中村、冨田、徐、吉兼の8 人の研究員が参加し、 梅雨前線に伴うクラウドクラスターの数値実験、積雪モデルの 国際比較、雲微物理モデルを組込んだ雲シミュレーション、 GCSS (GEWEX 雲システム研究計画)で扱っている温帯低気圧 に伴う雲システムの発達を再現した結果、梅雨前線の南北分布 の経年変動特性等についての発表、討議を行った。

雲・降水グループでは、GAME/HUBEX (亜熱帯・湿帯モンス ーン域でのエネルギー水循環研究計画)での特別観測期間の中 で梅雨前線に伴うクラウドクラスターの数値実験を行ってお り、12 月に昆明で開催されたHUBEX ワークショップで藤吉グ ループリーダーがこれに関する発表を行った。


地球温暖化予測研究領域アイコン
 ラン・スミス研究員の会議参加報告を紹介したい。

ビクトリア風景写真
 10 月5 日から12 日まで北太平洋の海洋生態モデル開発のタ スクチームに参加するため、炭素循環グループのメンバーでも ある北海道大学の岸教授と共にカナダのビクトリアで開催され た第10 回北太平洋海洋科学機関(PICES )会議に出席した。

 昨年2 月に植物、動物プランクトンなどの低次生産モデルを 作成した根室市でのワークショップにも参加したが、本会議で は、NEMURO モデルと魚など高次生産レベルのモデルを結合 させるグループとの会合に参加し、結合方法を討議した。 タスクチームの目的は、気候変動が魚の量などの海の環境収 容力に与える影響を調べることである。これは社会、そしてフ ロンティアの活動と深い関わりを持っている。

 最後にビクトリアは会議開催の場としても、そしてバカンスの場としても素 晴らしい所である事を付け加えたい。


大気組成変動予測研究領域アイコン

ユルガノフ研究員写真
 10 月よりロシア人のレオニド・ユルガノフ博士が新たに着任。 大気微量成分のリモートセンシングが専門である彼は、ここ数 年、米国・カナダに滞在し、対流圏大気汚染物質衛星センサー Measurements Of Pollution In The Troposphere (MOPITT ) のデータ検証チームで活躍していた。対流圏化学成分の衛星観 測は現在急速に伸びつつある分野であり、各国の大気化学者が 技術開発と科学的利用にしのぎを削っている。

 MOPITT ではCO とCH4 の全球的濃度分布が導出可能となり、これら微量成 分の放出源や長距離輸送過程が明らかにされつつある。ユルガ ノフ博士自身はNO2 など他の大気汚染物質のリモートセンシ ングにも挑戦中で、今後、地球フロンティアの化学輸送モデル 開発研究チームと協力してモデルと衛星データの相互検証を行 う予定である。


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