地球温暖化やそれに伴う気候変動は何によってもたらされるのだろうか。日本も批准した京都議定書で対象としている二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)などの長寿命温室効果ガスがその原因であることは良く知られている。しかし地球温暖化・気候変動を左右するのはそれらだけではない。特に最近では対流圏オゾンやエアロゾルのような短寿命の大気汚染物質が気候変動に極めて重要であることが指摘され、次回のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告ではこれらが大きく取り上げられることが予想されている。
本文下の図1は産業革命以来のこれらの物質による地球温暖化影響を比較したものだが、図1に示されるように、地球温暖化にとっては二酸化炭素、メタン、対流圏オゾン、エアロゾル・雲の4種が最も重要であることが分かる。
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図1 1850-2000年の各大気組成成分濃度変化による地球温暖化影響 |
−拡大図を見る− |
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人・自然・共生プロジェクトの一貫として実施されるこの「地球温暖化にかかわる大気組成変動予測のための研究」では、こうした視点からこれら4種の主要温暖化関連物質について、特にこれまで大気化学観測のあまり行われてこなかった中国を中心に観測調査をスタートさせる。
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図2 |
本研究で提案されている観測ネットワーク |
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●CO2又はオゾン観測ステーション
○エアロゾル放射観測ステーション |
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最終的にはこれらの物質収支に関わるプロセス・パラメータを定量的に明らかにし、化学・気候結合モデルの開発に役立てることを目的としている。これらの物質の内、二酸化炭素・メタンについては東北大学の中澤高清教授の研究室が、エアロゾルについては東京大学の中島映至教授が分担し、地球観測フロンティアではオゾンとその前駆体物質の観測を分担することになっている。本文上の図2に本研究において計画されている地上観測地点を示す。
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