より精密な気候モデル開発と、地球変動予測データ、
そしてデータの解析によって、地球環境への適切な対応に
つながる重要な政策決定に寄与していきたいと考えます

時岡達志(ときおか・たつし)

’71年に気象庁に入庁し、気象予報や気候変動研究に、研究者として従事する。’74年から2年間、大気大循環モデルを開発した先駆者の一人である荒川博士が在籍するアメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で研究に従事。
’94年に気候変動対策室長、2001年に仙台管区気象台長を歴任後、本年4月1日まで、気象大学校校長。専門分野は気候モデルと大気大循環。これまでさまざまな気候予測研究とモデル開発等に取り組んでおり、IPCCの活動には設立直後の’88年から関与している。



COLUMN

IPCC第4次評価報告書の特徴と、
地球フロンティア研究システムのかかわり方

IPCC第4次評価報告書は、2007年に採択が予定されており、既に2001年に発表されている第3次評価報告書とともに、2005年以降本格化するとされる第2約束期間(2013−17年の温室効果ガス排出削減目標)以降の国際的枠組み交渉における重要な基礎ともなるものです。

IPCCは、温室効果ガスによる気候変動の見通し、自然、社会経済への影響評価及び対策に関して、各国の研究機関から論文として発表された内容を評価し、IPCCとしてのとりまとめが行なわれます。

第4次評価報告書の骨子
作業部会において、「気候モデル(気候値や季節変化の再現)」「古気候」「気候変動・変化の原因」「気候モデルによる予測」などの案が出てきています。これらの骨子は継続検討がなされており、2003年11月のIPCC第21回総会でその骨子と作成作業計画が承認される予定です。

第4次評価報告書の作成に関する今後の主な予定
2003年11月3〜7日:IPCC第21回総会(骨子案・作業計画の審議、承認)
    11月:事務局より、各国・機関に対し、執筆者・査読者を募集
2004年4月:IPCCおよび作業部会ビューローが執筆者・査読者を選択
    6月以降:第1回代表執筆者(CLA/LA)会合の開催



地球フロンティア研究システムとしては、これらのプロセスに積極的な貢献を行うため、限られたスケジュールの中で論文として発表できる気候予測研究を、すべての領域において進めております。また、文部科学省において昨年度から、地球温暖化予測・水循環変動予測に関するモデルの開発を目的とする「人・自然・地球共生プロジェクト」が開始されており、地球フロンティア研究システムはこのプロジェクトにも参加し、IPCC第4次評価報告書に寄与するため、地球全体の変化、すなわち気候・大気、海洋の組成、陸・海の生態系が相互に影響を与えつつ変化していく様子をシミュレートできる統合モデルの開発、およびそれを用いて炭素循環のフィードバックを含んだ精度の高い地球温暖化予測に取り組んでいます。

3 Frontier Newsletter/No.23
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