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気候変動予測研究領域
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| 5月より、気候変動予測研究領域に加わった、中村元隆研究員を紹介します。
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これまで18年間アメリカにおりましたが、今回はしばらくの間日本に滞在して、科学研究に集中して取り組むことになりました。この10年間やってきた活動に、ここでまた新たな展開を迎えたような気持ちです。8年前にマサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業して以来、私はGoddard
Space Flight Center、MIT、Jet Propulsion Laboratory(JPL)など、米国内のいくつかの機関に勤務してきました。その間、プロのミュージシャンとして2年間活動したこともあります。フライフィッシングと音楽に熱中したこともありましたが、その一方で、私は長年にわたり大気と海洋、そして氷を切り離すことのできない一つのシステムであるという見地から、気候変動について研究してきました。その間、北大西洋の動態的な特性や、海洋の小規模な擬似水平運動のパラメータ化などについての、さまざまな課題に関する調査に参加しています。地球フロンティア研究システムでの在職期間に、多くの気候上の現象を合理的に説明する、大気、海洋、氷に関する高分解能のシミュレーション・モデルの開発に貢献できればと思います。また、より有効な方法を用いて中間緯度の気候的な変化が中間緯度の海面温度の偏差に与える影響の問題に取組み、北大西洋振動のメカニズムを実証していきます。
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水循環予測研究領域
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4月6日から11日まで、フランスのニースで開催されたEuropean Geophysical Society(EGS)-American
Geophysical Union(AGU)-European Union of Geosciences(EUG) Joint
Assemblyに参加しました。この三学会共催の国際会議は始めてですが、私自身、EGS、AGUとEUGのどの学会に対しても、初めての参加です。多数の研究員が参加し、初日の当日参加登録は、主催者も予想していなかったであろう、大混雑でした。大きな会場で各セッションが同時に進行するため、毎日会場中を走り廻っていました。幸い、各セッションがほぼスケジュール通り進行したため、私が大変興味を持っている近年のヨーロッパの大洪水、気候変動に伴う各地域の水資源量の変化、陸面水文モデリングの進展など数多くの発表を聞くことができました。私自身はモンゴル半乾燥地域における水文学的な解析結果のポスター発表を行い、多くの研究者と有意義な議論ができ、大変嬉しく思いました。6日間と長い開催ではありましたが、発表の内容が豊富だったため、充実した毎日を過ごすことができました。この学会で得られた研究動向を、今度の自分の研究の参考にしていきたいと思います。
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地球温暖化予測研究領域 |
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5月5日から8日までアメリカ、ワシントンD.C.で行われたJGOFS Open Science Conferenceに S. Lan
Smith研究員が参加し、北太平洋の4箇所の観測点における海洋化学・生態系モデルのシミュレーション結果について発表を行いました。多くの研究者と炭素循環について議論できたとともに、JGOFSの歴史と科学について知ることができました。
また、5月20日から23日までスペインのヒホンで開催された3rd International
Zooplankton Production Symposiumでは山中グループリーダー、岸研究員、相田研究推進スタッフが参加し、海洋生態系モデルNEMUROを組み入れた海洋大循環モデルによる動物プランクトンの季節的鉛直移動における一次生産及び炭素フラックスへの影響について発表を行い、動物プランクトンの海洋物質循環における役割について、有意義な情報を得ることができました。会議中、同シンポジウムを、次回は2006年に日本で開催することが決まりました。
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大気組成変動予測研究領域
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農耕地は、亜酸化窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、アンモニア(NH3)、メタン(CH4)をはじめとする大気微量成分の重要な発生源です。東・東南・南アジアの農業には、この問題と関連して考慮すべき特有の条件があります。世界の農耕地面積の36%を占めるに過ぎないこれらの地域が、窒素肥料消費量では世界の半分以上を占めます。また、CH4の発生源である水田については、世界の面積の約90%が存在します。そこで、エミッションインベントリサブグループの顔暁元研究員は、これらの地域の農耕地からのN2O、NO、NH3、CH4発生量評価の精緻化を試みています。肥料の使用状況、土壌特性、水利、気候条件などの因子と大気微量成分発生量の関係を詳しく解析した上で、農産物収穫量や肥料使用量に関する各国の統計資料も駆使して、国別(中国とインドについては省または州単位)に発生量を評価しました。現在、土地利用の変化、人口増加、経済発展を考慮に入れた将来予測を試みています。
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