「海の天気予報」を目指した海洋変動予測システム ARGOフロート*1を始めとする近年の全球規模観測システムの発達によって、リアルタイムかつ効果的に海洋の状態を予測することが可能になってきています。日本沿海予測可能性実験(JCOPE: Japan Coastal Ocean Predictability Experiment)の一環として、私達は高解像度の海洋変動予測システムを開発してきました。このような海洋変動の日常的な予測(「海の天気予報」)は、現場観測による検証とあいまって、より長期の気候予測のための大気海洋モデルの改良や漁業、海洋環境保全等に著しく貢献することが期待されます。 高解像度海洋大循環モデル 予測システムで使用している海洋モデルは、世界でもよく使われているプリンストン海洋モデルを基盤としています。水平1/12度、35層の高解像度領域モデルが、1/4度、21層の中解像度の海盆スケールのモデルに埋め込まれています(図1)。高解像度モデルは北西太平洋(117E-180E, 12N-56N)を対象としており、側面境界条件を中解像度モデルから単方向ネスティングによって与えています。モデルは風応力、海表面の熱フラックスおよび塩分フラックスによって駆動されています。このうち風応力と熱フラックスは6時間間隔のNCEP/NCAR再解析データ*2およびQuikSCAT*3準リアルタイムデータからバルク公式等を用いて算出します。海表面における塩分は30日の時間スケールで月平均気候値に緩和させています。高解像度モデルによって、北西太平洋における海流や渦などの海洋変動がよく再現されています。