地球環境フロンティア研究センター長
時岡達志
 
(時岡先生略歴)
1945年生まれ。東京大学理学系研究科を経て1971年に気象庁に入庁。理学博士。
気象庁予報部長期予報課長、仙台管区気象台長、気象大学校長を歴任後、2003年に地球環境フロンティア研究センター地球温暖化予想研究プ ログラムディレクター(当時、地球フロンティア研究システム地球温暖化予測研究領域長)に就任。2005年4月より同センターのセンター長に就 任。地球温暖化予測研究プログラム、地球環境モデリング研究プログラムのプログラムディレクターを兼任。大気大循環モデルの開発等で多 くの優れた研究実績があり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等の国際貢献に対し、世界的にも高い評価を得る。
日本気象学会賞、岡田賞、運輸大臣表彰などを受賞。専門分野は気候モデル、大気大循環。
ご挨拶
 4月にセンター長に着任し4ヶ月以上経過しました。時間 に追われながら処理しなければならないことを片付けてきた これまででした。今年度特有の事情もあって、少し慌しい年 度始めでしたが、現在来年度の概算要求がそろそろ文部科学 省レベルで固まろうとしており、それを過ぎればやっと少し 落ち着いて考えられる時期となるでしょう。
 地球環境フロンティア研究センター(FRCGC)の前身であ る地球環境フロンティア研究システム(FRSGC)が発足して まもなく8年を迎えます。この間松野前センター長以下関係 の方々の努力で現在のセンターが形作られ、素晴らしい成果 を挙げられるようになってきました。改めて前センター長以 下皆さんの努力に敬意を表します。それを引き継いだ私は、 引き続き現在の流れを押し進めていく所存であり、皆様の活 躍、協力を引き続きお願い致します。
  着任の挨拶の時にそれらに触れま したが, 1)共生プロジェクトが18年度で終了することへの 対応、2)機構内の他センターとの連携協力の推進、3)外部の 関係機関との連携協力の推進、4)そして外部競争資金獲得へ の努力、などがあります。
  現在、来年度概算要求の中で1)、3)に沿った努力を進めて いるところです。またわれわれの研究成果を、業務を通して国 民に還元する役割を持つ気象庁との公的なパイプとして研究 懇談会を持つことにしました。例えば地球環境モデリング研究プログラムで開発を進めている「3.5km全球大気モデル」*の 結果を見ると、このような解像度のモデルが将来さまざまな 気象業務に活用できる可能性を予感させるものがありますが、 このようなことを含めてわれわれの研究成果と、関連する気 象庁サイドの成果について懇談し、これを機に互いの理解と協 力が深まることを期待しています。
  外部資金の獲得に関しては今年度のものはほぼ終了しま した。関係の方々には多いに努力していただき、一定の成果 を上げることが出来たことに感謝申し上げます。しかし今回 の経験を振り返って見ると、来年度以降に反映させるべき改 善点があるのは事実です。特に異分野の人達と同じ土俵で競 争し資金を獲得しなければならないような場合、提案の選考 にあたる人達は広い分野の専門家で構成されることを十分意 識しておく必要があります。すなわち、生命、物質をはじめ とする異分野との比較においても、その重要性や実施価値が あると考えてもらえるような提案の仕方をする必要性が生じ ています。これまではややもすると選考者はその分野の専門家であると思いこんで我々はプロジェクトの提案を行ってき過ぎた点はなかったでしょうか。この点を謙虚に反省し、来年度以降に備えて行かねばなりません。
   
様々な変化への対応
 昨年度より海洋科学技術センターが独立行政法人海洋研 究開発機構(JAMSTEC)となり、FRCGCは新機構の一つの センターと位置づけられ、諸規則が見なおされ、今年度より 裁量労働制が導入され、現在は来年度からの新人事制度の導 入に向けた作業が進展しています。新機構内の体制は、世界 のCOE化を目指して急速に改善が進められようとしていま す。私は、これらの改善を通じて、研究者やスタッフの活力 が一層向上し、世界の研究者が魅力を感じて集まって来るよ うになることを大いに期待しています。
 さてここでセンター内のことを振り返って見ますと、色々な研究成果が出始めている一方で、いくつかの問題も存在し ていることに気付きます。
 
 
Frontier Newsletter/No.28
FRSGC Index
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